米Googleとのパートナーシップを通じて、米Adobe Systemsがストリーミング版の「Photoshop」をChromebookおよびChromeブラウザ(Windows)に提供する。これは「Project Photoshop Streaming」というAdobeがベータ開発中の技術を用いており、北米において有料のCreative Cloudを契約している学生・教職員(エデュケーション)メンバーに対象ユーザーを絞り込んだ限定的な提供になる。
ストリーミング版のPhotoshopはクラウドの仮想環境で動作し、ユーザーがソフトウエアを完全ダウンロードしてインストールする必要はない。アクセスすると、自動的に最新版にアップデートされるので管理が容易だ。Google Driveが統合されており、保存したファイルが自動的にクラウドにアップロードされ、またファイルを開く、復元などもGoogle Driveから行う。オフライン機能はなく、インターネット接続が中断した場合、Google Drive内の「Photoshop Recovery」というフォルダからファイルを復元し、新たにセッションを開始する。
機能はPCにインストールする通常版のPhotoshopに近いが、現在のベータ版の仮想環境はGPUに依存する機能(間もなく対応予定)や印刷機能をサポートしていない。
動作環境は、Chromebookは過去2年間に発売された新しい製品。Windowsは、Windows 7/ 8で、512MB以上のRAM、350MB以上の空きストレージが必要。インターネット接続は5Mbps以上。
Adobeは、今後Photoshop以外の製品もProject Photoshop Streamingに追加する計画だ。「Project Photoshop Streamingでは、ハードウエアから独立した形でわれわれの製品にアクセスする方法の提供、言い換えるとダウンロードやインストールの手間なく、どのようなデバイスからでもわれわれの製品にアクセスできる手段を試している」と述べている。ただし、現時点でストリーミング版を独立して提供する予定はなく、サブスクリプション型のCreative Cloudの価値を高めるサービスという位置付けになっている。