東京・両国の東京都江戸東京博物館にて、30日から特別展「東京オリンピックと新幹線」が開催される。これに先立ち、29日にプレス内覧会が行われた。
同特別展は50年前の東京オリンピック・パラリンピック開催と新幹線開業に焦点を当て、終戦から高度経済成長期の東京の姿を紹介するという内容に。「第1章 敗戦から高度経済成長へ」「第2章 高速鉄道、新幹線の歴史」「第3章 1964年東京オリンピック・パラリンピック」の3章からなり、他に歴代新幹線などの鉄道模型が走る幅15m、奥行6mの特設巨大ジオラマも登場する。
「第2章 高速鉄道、新幹線の歴史」は、「新幹線前史・華の東海道本線」「夢の超特急の登場」「未来にはばたく新幹線」の3つのテーマで構成される。1964(昭和39)年10月1日の東海道新幹線東京~新大阪間で登場した「夢の超特急・0系新幹線電車」を中心に、新幹線の誕生から現在に至るまでの各種資料や模型のほか、0系の連結部カバーや1等車座席・3人掛座席も会場に展示される。
新幹線関係の企画コーディネートを担当した米山淳一氏は、新幹線について、「国ではなく日本国有鉄道(国鉄)が独自に挑んだビッグプロジェクトでした」と紹介した。東海道本線の輸送量が旅客・貨物ともに飽和状態だった時代、当時の国鉄・十河(そごう)信二総裁により、「新幹線計画」が推進されたという。高規格路線や運転集中管理方式など、独自のシステムを採用し、世界初の時速200kmを超える高速列車の安全・快適な運行が実現した。
「いまは東北新幹線『はやぶさ』が最高時速320kmで走っています。イギリスの『ジャベリン』と呼ばれる通勤新幹線では、日本の日立の技術が取り込まれています。私たちの誇る新幹線が、世界のスタンダードになりつつあることを伝えたい」と米山氏。他に新幹線前史として、高性能特急電車151系の活躍や、神奈川県に設置された新幹線モデル線区についても紹介するとのことだった。
特別展「東京オリンピックと新幹線」は、東京都江戸東京博物館の1階展示室にて、9月30日から11月16日まで開催。開館時間は9時30分から17時30分まで(土曜日は19時30分まで)で、休館日は月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)とされている。