日本労働組合総連合会は26日、「ディーセント・ワークに関する調査」結果を発表した。調査期間は8月22日~8月26日の5日間、対象は18歳~65歳の男女(会社経営者または役員除く)1,000名。調査方法はモバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)による。調査協力機関:ネットエイジア株式会社)
働きがいのある人間らしい仕事とは?
ディーセント・ワーク(Decent Work)とは、「働きがいのある人間らしい仕事」と訳され、人間らしい生活を継続的に営める人間らしい労働条件の仕事のことを指している。現在就業中、または就業経験のある968名(現在就業中:765名/現在は専業主婦・学生・無職であるが、これまでに就業経験がある:203名)に自信の働き方の満足度を聞いたところ、「非満足(「全く満足していない/していなかった」~「どちらかといえば満足していない/していなかった」の合計)」が高かったものは、「労働環境・職場環境」(34.7%)、「賃金」(48.7%)、「労働時間・休日日数」(32.5%)、「仕事内容」(25.6%)となった。
「パワハラがある」は
その中で、「労働環境・職場環境」の非満足層(336名)に、不満内容を聞いたところ「職場の人間関係が悪い」(50.6%)が最も多い回答に。更に「目標となる先輩・上司がいない」(37.5%)、「職場のルールが整っていない」(35.1%)、「仕事をしない人がいる」(34.2%)、「自分の考えや意見が発言しづらい」(32.7%)、「パワハラやいじめがある」(31.8%)が続いた。
全体で最も多く挙げられた「職場の人間関係が悪い」は、特に18歳~30歳女性で64.1%と高い数字を記録した。2番目に多く挙げられていた「目標となる先輩・上司がいない」は、46歳~55歳女性で53.1%と半数を超え、同社は「女性上司のロールモデルが必要とされている」と分析している。
「仕事内容」の非満足層(247名)に、不満を持つポイントを聞いたところ、「やりがいを感じない」(44.5%)が最も多かった。「忙しすぎる」(37.2%)、「自分のやりたい仕事とは異なる内容の業務」(34.4%)、「自分自身の成長が見込めない」「業務内容が同じことの繰り返しになっている」(いずれも30.0%)が3割台で続いた。
男性の方が高い結果となったのは、「やりがいを感じない」(男性52.7%、女性35.6%)、「自分のアイデアやセンスを活かせない」(男性21.7%、女性11.0%)となり、女性が高かったのは「忙しすぎる」(男性32.6%、女性42.4%)、「自分自身の成長が見込めない」(男性26.4%、女性33.9%)となった。
「制度・法律の改正」が最も必要に?
ディーセント・ワーク(働きがいのある仕事)の実現のためにどのような取り組みが必要だと思われているのか、全回答者1,000名に、「制度・法律の改正」「企業努力」「労働組合の要請・交渉」「個人の努力」の選択肢から何か最も必要か尋ねたところ、「国や地方自治体による制度・法律の改正(法の整備)」(52.1%)が半数以上で最も多く、「各企業の努力」(34.6%)、「労働組合による要請や交渉」(5.7%)、「個人の努力」(7.6%)となりました。