トイレにこもってうーんとうなってもなかなか出ず、お腹が重く感じる便秘。ぽっこりと張ったお腹をみると憂うつな気分になりますよね。ある時女友だちが「便秘が続く日がピタっと終わって快腸になると生理がくる」と言っていたけれど、それって本当でしょうか。生理周期と便秘に一体どんな繋がりがあるのか調べてみました。

実は、腸の運動には女性ホルモンも影響していた

生理には「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類の女性ホルモンが関係しています。これらの女性ホルモンが作用することで便秘が引き起こされるとも言われています。生理が28日周期の女性で例えると、生理の14日後ごろ訪れる"排卵期"からたくさん分泌される黄体ホルモンが腸のぜん動運動を弱めてしまうため、便秘になりやすいのです。

一方月経期に突入し生理が訪れると、経血を体内から出すために子宮を収縮させ、いわゆる生理痛を引き起こす「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。その時、子宮の近くにある腸も同時に収縮させられるため腸のぜん動運動が活発になり、便が出やすくなるのです。生理中に便が出やすい人はプロスタグランジンの作用によって快便になっているのかもしれません。だけど、黄体ホルモンに左右されて日々便秘に悩むのはツライですよね。

女性ホルモンに影響されない、快便体質の作り方は?

毎日規則正しく便を出すためには、腹筋の筋力を付けて便を排出する力を付けることも一つの方法です。もともと女性は男性に比べて筋力が少なく、便秘になりやすいと言われています。便秘がちだと感じる人は、毎日のちょっとした時間につま先立ちをしてお尻を引き締める"骨盤底筋群のトレーニング"で改善することもあります。ほかにも、水分をこまめにとって「カチカチ便」対策を行ったり、食物繊維を多く含んだ食材や乳製品を意識して食べたりすることをおすすめします。

便が出ないことは老廃物をため込んでいることと同じであるため、身体には悪影響。肌荒れや、ガスがたまって腹痛や張りに繋がることもあります。忙しい朝も意識してトイレに座って便が出しやすい状況を作ってみると、次第に体内でのリズムが付いて腸の動きも活発になるかもしれません。便秘は女性ホルモンに影響されていると言われていますが、生理周期に関係なく毎日快便を目指したいですね。

※画像は本文と関係ありません

善方裕美 医師

日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。

主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など