最近は"主夫男子"なんて言葉があるように男性も家庭的で家事をするのが当たり前になってきてるようですね。僕は昔から料理が好きで率先して作るし、掃除、片付け、ゴミ捨ても苦だと思ったことはありません。これは手伝ってるという心持ちでも、親の教えってわけでもない。もちろん過去に何かやらかして悔いを改めてるわけでもないですよ。
よく女性の友達から『家庭的でいいね! うちの彼氏に教えてほしいわ!』なんて言われるんですけど、僕はただ単に自分でしないと気が済まないだけなんです。
作った料理をおいしそうに食べてもらえるのが好きだったり、部屋がきれいになると気持ち良かったり、大きなゴミ袋を捨てる優しくて家庭的な男性という周りからの高評価が気持ちよかったりしますしね。気のせいなのはわかってます。
彼女と同棲していた時は僕が料理、片付け。彼女が洗濯、洗い物という暗黙の分担があったんです。買い物は二人で休みの日にまとめ買い。お互い得意不得意で振り分けられてたのでWinWinやったんですけど、僕はいつも脱いだ服が裏返しだと怒られてました。
だって面倒くさい。脱いで裏返った服をわざわざまた裏返すのが。なんでこの世の衣類全てをリバーシブルにしないのだと文句を垂れそうになる。われながら理不尽過ぎる。それでも彼女はうちの母さんのように裏返しのまま畳んでタンスに入れることはなかった。
それから後に一年だけ一人暮らしをした時期があったんです。つまり全ての家事を1人ですることになるわけじゃないですか。嫌いな"洗い物"も"洗濯"も。
洗い物は飲食店で働いてた頃に洗剤で手荒れをしてから嫌いになったんです。なのでゴム手袋を着けたり、食器を大家族かってぐらいに用意して一週間洗い物を溜めてまとめて洗ったり、食器にラップを敷いて使ったり……もういっその事食べない方がいいんじゃね? と思ったり。言い過ぎました。
なんだかんだ文句を言いながらもなんとかやってたんですけど、一番の問題は"洗濯"。すっごい面倒くさい。なぜなら全ての衣類が裏返っているから。
こんなにも面倒くさいものなのか。ユニクロはいつになったらリバーシブルのシャツとパンツを作るのだ。もういっそのこと服を着ない方が良いんじゃn……言い過ぎました。が、それぐらいに面倒くさい。
それならば脱ぐ時に気をつけるようにしようと、ここで今までの悔いをあらためて裏返しで脱がないように気をつけるようになりました。最初からしておけよってそれだけの話なんですけど。それからは洗濯ものはさっくさく進む。取り込んでぱぱっと自己流に畳み、トンっと衣装ケースに。こうなってくると、洗濯楽しくなるよね。
結局1人暮らしをした1年間で一番楽しかったのが"洗濯"でした。最終的にはどんな柔軟剤が良い匂いなのか、洗剤の量はどれぐらいか、取り込みからの畳むまでの効率をよくするには! なんてのを研究する始末。Amazonからダウニーの4リットルが届いた時は抱いて寝たよね。
実家でも母さんが当たり前のようにしてくれてた家事。自分でいざやってみると面倒くさいことも楽しいと思える瞬間も見えてくる。僕は全部楽しんでやっちゃえるようになったんですけど、苦手な男性は嫌いなままかもしれません。けど女性に任せっきりではなく、たまには自分でやってみて苦労も知り、感謝するのもいいんじゃないかと思う。
裏返しに脱いだら戻しておく、ネットに入れておく、食べ終わった食器はお水に浸けておいて洗剤をちょっと入れておく等、ちょっとした気遣いもできるようになれば立派な家庭的男子になれて好感度とお小遣いアップするかもしれませんね。
バリバリ仕事ができる一面と休日は家庭的な一面のリバーシブルなんていかがでしょうか。
<著者プロフィール>
吉本ユータヌキ
唐揚げと長澤まさみをこよなく愛す1986年製のたぬき型人間。ブログ『さっきもUたやん』を中心に文章を書いたり、イラストを描いたり、背中を掻いたり。フリーカイターです。重度の虚言癖と盛り癖をわずらっていますので優しく見守ってあげてください。Twitterでは日常が垣間見え過ぎています→@gonnakill_uta