主要3キャリアが9月19日より販売を開始した「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」だが、すでに購入した人や、これから機種変更したいと考えている人も多いだろう。今回の新型iPhoneは、iPhone 6が4.7インチ、iPhone 6 Plusが5.5インチと、従来よりも大画面化したことが特長。動画やゲームなどを迫力ある大画面で楽しめるのが魅力だが、一方で、端末本体のサイズも従来より一回り、二回り程度大きくなったことで、思わぬトラブルも起きているようだ。

Twitterなどのソーシャルメディア上では、iPhone 6/6 Plusを早くも落下させて、画面を割ってしまった人の報告などを見ることができる。大きくなったiPhoneをこれまでと同じ感覚で持った結果、落下させてしまうといったケースもあり、持ち方には工夫が必要と言えるだろう。

iPhoneの画面割れや水濡れなどのトラブルはできれば避けたいところだが、万が一、修理が必要なトラブルに見舞われたときのキャリアのサポートはどうなっているのだろうか。本稿では、ドコモ、KDDI、ソフトバンク3社のiPhone修理時の補償サービスについてチェックしていきたい。

「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の修理サポートをチェックしてみた

「AppleCare+」に加入すれば、iPhoneの修理代金が軽減される

まず、iPhoneが故障したときのサポートについて確認しておくと、初期不良などの場合、購入後1年間はAppleの製品保証の対象となり、無償で修理や交換を受けることができる。さらに、同社が提供する「AppleCare+ for iPhone」に加入すれば、この製品保証の期間が2年間に延長されるほか、画面割れや水濡れなどの自身に過失のある故障や自然故障の修理代金が軽減される。

iPhoneの修理は、基本的にAppleに依頼することになるが、修理代金は故障の状態によってさまざま。AppleCare+ for iPhoneでは、このAppleの修理サービスを1回につき最大7,800円(税込)で受けることができ、2年間で2回まで利用可能だ。

AppleCare+ for iPhoneは、Apple Storeまたは各キャリアショップで申し込むことができ、料金はApple Storeでは一括払いのみ可能で9,400円(税抜)、キャリアショップで申し込む場合、24カ月の分割払いとなり、こちらも総額で9,400円になる。

iPhone修理時に利用できる各キャリアの補償サービスは?

それでは、iPhoneの修理が必要なときに利用できる各キャリアの補償サービスについて見ていこう。前述の通り、iPhoneの修理はAppleに依頼することになるため、KDDIやソフトバンクが提供する補償サービスは、このAppleでの修理代金を補填するものとなっている。

KDDIの補償サービスは、同社の有料会員制サービス「auスマートパス」で会員向けに提供される「iPhone修理代金サポート」だ。同サービスでは、水濡れ・全損・一部破損が対象となり、Appleでの修理代金が最大7,800円(税込)まで補填され、2年間で2回まで利用できる。前述の通り、AppleCare+ for iPhoneに加入すれば、修理代金は最大7,800円(税込)までとなるため、両サービスを併用することで、実質0円でiPhoneを修理することが可能だ。なお、auスマートパスの料金は、月額372円(税抜)となっており、修理代金サポート以外にもお得なクーポンなどの特典や写真・動画、アドレス帳のデータ預かりサービスなどを受けられる。

ソフトバンクでは、補償サービスとして「あんしん保証パック(i)」「あんしん保証パック(i)プラス」を提供。両サービスは、故障・破損・水濡れが対象となり、Appleでの修理代金の85%または90%が還元される。なお、還元は月々の利用料金から差し引く形で行われる。料金は、あんしん保証パック(i)が月額500円、あんしん保証パック(i)プラスが月額650円(いずれも税抜)。ちなみに、両サービスの違いは「ケータイなんでもサポート」が付加するかどうかだ。

一方、ドコモでは、iPhoneの修理が必要なときに利用できる補償サービスとして「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」を提供している。同サービスは、修理代金を補填するというものではなく、他の2社とはアプローチがだいぶ異なる。具体的には、水濡れや破損などの故障に遭った場合に、7,500円(税抜)を支払うことで端末をリフレッシュ品(交換電話機)に交換することが可能。1年間に2回まで利用でき、月額料金は600円(税抜)となっている。

3社の補償サービスを比較すると、修理代金の負担が最も少なくなるのはKDDIで、AppleCare+との併用により、実質0円で修理を受けることができる。反対にドコモの場合、修理ではなくリフレッシュ品との交換になるため、2日以内に代わりの端末を入手できるという特徴はあるものの、料金は1回あたり7,500円とかなり高い。iPhone修理時の補償サービスに着目してみると、各社で取り組みが大きく異なることがおわかりいただけるだろう。

iPhone修理時に利用できる各社の補償サービスの比較表 (※拡大画像はこちら)

*  *  *

今回は、画面割れや水濡れなど、iPhoneの修理が必要なときの補償サービスに着目したが、ドコモの補償サービスは故障以外にも紛失や盗難、ソフトバンクの補償サービスは紛失や盗難、電池消耗も対象にするなど、各社の補償範囲にも違いがある。また、KDDIの場合、紛失や盗難を対象とした「紛失補償オプション」を別途提供している。なお、各社の補償サービスでは、端末購入後、何日以内といった加入条件が定められている場合があるので、よく確認しておくとよいだろう。

落下による画面割れや、水濡れなど、いつiPhoneのトラブルに遭遇するかはわからない。補償サービスは3キャリアでそれぞれ異なるが、あらかじめ加入しておけば、実質0円で修理できるKDDIの「auスマートパス」は、万が一、修理が必要なトラブルに見舞われたときでも安心できそうだ。