ここ最近、「格安SIMサービス」の話題をよく耳にする。市場ではどんなサービスが人気で、どこまで便利に使えるのだろうか。本稿では、1,000円以下で使える格安SIMサービスの情報をいくつかまとめてみた。そこから見えてくる共通項はあるだろうか。

本稿では1,000円以下で使える格安SIMサービスの情報をいくつかまとめてみた

月額972円のサービス

まずは月額972円で3G/ LTE通信が利用できるサービスをいくつか紹介したい。例えば「IIJmio高速モバイル/Dサービス ミニマムスタートプラン」では、月に2GBまで通信できる(9月末日までは1GB)。通信規制がかかると、下り最大200kbpsまで落ちる。ビックカメラで販売している「BIC SIM(for IIJmio)ミニマムスタートプラン」では、IIJのプランに準じた内容のサービスが提供されている。

IIJが提供する、IIJmio高速モバイル/Dサービス ミニマムスタートプラン。同社では10月より、通信容量の上限を2倍に増量する

「楽天ブロードバンドLTE エントリープラスプラン」でも3G/LTEが利用可能。3日で400MBまで、月に1GBまで通信できる。通信規制がかかると下り最大300kbpsに落ちる。「OCN モバイル ONE (毎日50MBコース)」では1日50MBまで利用可能。50MBを超えると下り最大200kbpsに規制される。「b-mobile X SIM プランI」では月に1GBまで、「b-mobile X SIM プランN」では日に51MBまでの通信が可能。通信規制時は下り最大200kbpsになる。

OCN モバイル ONEのホームページから。ユーザーの利用シーンに合わせた様々なプランが用意されている

このほかにも競合各社が同様のプランを提供している。通信制限の解除オプション、SMSサービスの付加オプションが利用できるか否か、公衆無線LANが利用できるか否か、といった点で差別化を図っており、サービスの内容自体は既述のものと大きな差はない。

そのほかのサービス

さらに安いプランもいくつか提供されている。例えば「U-mobile データ専用1GB」では、853円/月で1GBまで3G/LTEが利用可能。通信規制時は下り最大128kbps。ヨドバシカメラで販売している「ワイヤレスゲート WiFi+LTE 920円プラン」では、920円/月で1GBまで3G/LTEが利用可能。通信規制時は下り最大250kbps。このほか、LTE通信は利用できないが格安の「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE 480円プラン」が480円/月で提供されている。下り最大250Kbpsで、無制限の3G通信が利用できるプランだ。

ワイヤレスゲート WiFi+LTEプランは、オンラインでも家電量販店でも購入できる

エレコムでは下り最大300kbpsで通信量無制限の「SkyLinkMobile データ通信専用パッケージ フリーデータ」(842円/ 月)、下り最大150Mbpsで毎日70MBまで利用できる「SkyLinkMobile データ通信専用パッケージ デイリー」(1058円/ 月)などを提供する。

さらに「mineo(マイネオ)シングルタイプ」といった、KDDI(au)の通信回線を利用したMVNOサービスも。同サービスは、1058円/ 月で1GBまで3G/LTEが利用できる。通信規制時は下り最大200kbps。余った通信容量を翌月に繰り越したり、通信用量を家族間でシェアできたりといったオプションが用意されている。

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まとめると、月額972円では「1日50MBまで」あるいは「月に1~2GB程度まで」「3日で366MBまで」の通信容量で「下り最大150MbpsのLTEが利用できる」サービスが多かった。月額900円未満になると、その分だけ通信容量や通信速度が落ちるイメージ。この結果には「そんなに便利なの? 」と意外に思った人も多いのではないだろうか。筆者自身、調べる前は「月額1,000円ではLTEも利用できないのでは? 通信容量も100MBくらいなのでは? 」などと偏見を持っていた。大手キャリアの割高な料金プランに慣れ親しんだ頭には、これら格安SIMサービスの料金プランはとても魅力的に映る。

次稿では、月額2000円付近の格安SIMサービスを紹介していきたい。