「青」。それはレストランや食卓ではほとんど見かけない色。なぜなら、青色には食欲を減退させる効果があるからだ。ダイエットメニューなどにあえて青色が使われることはあるが、それ以外の目的で料理のメインカラーとして彩られることがあろうはずもない……と思っていた。

だがしかし! ありました、真っ青なカレーが!! 通称"流氷カレー"だ。

インド五ツ星ホテルの味

「【春】オホーツク流氷カリー」とビッグサイズのナン

インド五ツ星ホテル出身のマクスード・アラム料理長ら一流シェフたちが、本場インドの味を日本人好みにアレンジ。リーズナブルな価格で提供しているインド料理専門店「クリシュナ」で食べられるとのこと。

だが、同店があるのは北海道。……遠い。カレーを食べるという目的だけで北海道に行くほど時間もお金もない……。半ばあきらめかけていたが、同店のカレーの通販が。

青色カレーである「【春】オホーツク流氷カリー」、赤色カレーである「【夏】オホーツク夕陽のカリー」、黄色カレーである「【秋】オホーツク スモークカリー」、白色カレーである「【冬】オホーツク白い大地のカリー」の4種類(各220g)の中から好きなものを2種選べるようになっており、手焼きの特性ナンも2枚付いて送料込みで3,024円(税込)。ということで、青色カレーと白色カレーを選択し、早速注文してみた。

青い……青すぎる……。これがカレーだと誰が信じるだろうか

青と白で流氷をイメージ!

鶏肉とのコントラストが……青と白、やっぱりカレーの色ではない

実際に届いたカレーを見てみると……本当に青い。青々としている。

そもそもこの「【春】オホーツク流氷カリー」は、その名の通り、海明け間近である早春のオホーツク海の青さと、海面に浮かぶ白い流氷をイメージして料理長が考案したというもの。合成着色料は使用せず、インドに生息する植物から抽出された天然色素でオホーツク海の青さを再現したそうだ。そして流氷に見立てた白い具材はスパイシーチキン。ほっほ~、こだわってますなー。

準備は簡単。カレーはパックに入れたまま電子レンジで温めるだけ、ナンもオーブントースターか電子レンジで温めるだけでオッケー。

う~ん……見た目は鮮やかだが、正直、この色からはどんな味なのか、全く想像できない。

食欲減退色のお味は……予想の斜め上

まあ百聞は一食にしかず、いよいよ実食だ。

ホカホカのナンにルーをたっぷり付けて……

ぱくりと一口。お~、うまい~、ちゃんとカレーだ(失礼)。というか、まろやかさとスパイシーさが舌の上で融和して、かなり本格的なインドカレーという風味。材料を見ると「玉ねぎ、カシューナッツ、チキン、生姜、にんにく、ヨーグルト、バター、生クリーム、インド産スパイス類、食塩、サラダオイル、植物抽出着色料」となっているが、さすがインド料理の凄腕プロが作っただけあって、こんなに青々としているのに王道の本場感!!

また、真っ白なチキンは北海道の雄大な大地でのびのび飼育された知床鶏を使用しているそうだが、鶏自体の味わいがしっかりとしていて、コクと旨みがキリリとしたルーの味わいにも負けていない。この見た目の意外性と相まって、舌がビックリしちゃってますな。

見た目シチューなこちらもいい意味で予想外!

ちなみに、一緒に注文した白色の「【冬】オホーツク白い大地のカリー」は、ホワイトシチューのような見た目だが、こちらも独特の風味と辛さが絶妙だ。クリームやバターによって青色カレーよりはまろやかだが、こちらもしっかり"インドカレー"してるじゃないか。

「【冬】オホーツク白い大地のカリー」とナン。ホワイトシチューのような見た目だが、まろやかでコクのあるインドカレーだ

北海道のオホーツクを想起させるこの未知なるカレー体験が3000円ほどでできるなんて……一食の価値あり!!

(文・A4studio昌谷大介)