iPhoneのホーム画面は、その人自身を映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのか見てとれますし、その人の性格まで見えてくることもあります。本稿では、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回はSさん23歳のホーム画面です。
本稿の最後には、Sさんの反応も掲載しますので、みなさん自身のプロファイリングと比べて当たっているかどうか確認してみてくださいね。
SさんのiPhoneホーム画面全2枚とロック画面
プロファイリングと解説
さて、今回の女性はホームスクリーンが2枚です。この女性は、今までの女性たちにくらべると非常にシンプルなホームスクリーンではないでしょうか。一切のゲーム系アプリがないことをふまえると、社用のiPhoneなんじゃないのかなとさえ、思ってしまいます。しかし、資産を管理するマネー系アプリの「Moneytree」や、YouTubeアプリの「FOXTube」があったり、目覚まし時計がセットされているところで、やっぱりプライベートに使用しているんだと気づかされます。
しかし、このiPhoneは本当に不要なアプリが一切なく、削除することができないアプリが「WASTE」(=ゴミ!)として、フォルダ化されています。ムダなアプリがないことに加え、夕方3時であるのにもかかわらず、電話やメールだけではなく、Facebookにいたるまで未読・未確認のものがないことを考えると、この女性はきっちりとした性格、どちらかというとさばさばしている感じかなと思います。
でも、だからといってマニッシュな感じではないのかなとも思えます。というのもロックスクリーンが、おそらく飼い犬であろう犬の写真です。ここに、どこかしら「好きなもの・カワイイものと一緒にいたい」っという女の子らしい心理が表れていると思うんです。この女性とは、いわゆる女の子扱いした接し方よりも、もう少しカジュアルに、だけど女の子として接するほうが良いのではないでしょうか。
ところで、この女性のiPhoneには通常の電話だけではなく、IP電話の「050 plus」がインストールされています。このアプリは、実はボクも利用しています。海外と日本を往復して仕事をしていると、頻繁にSIMカードを交換しなければなりません。SIMに依存されず、どこにいても日本からの番号で電話を受けられる「050 plus」は、けっこう重宝するんです。
そうしたボクの経験と、航空券の価格を調べることのできる「sky scanner」、旅行先での写真を管理する「TRIP FOR JAPAN」、ニコンのデジタルカメラとスマートデバイスとをつなぐ「Wireless Mobile Utility」があることを考えると、旅行それも海外旅行好きなんだと思います。そして、この女性のiPhoneには「Instagram」などの一般的なカメラ系アプリがありません。それはきっとこの女性が“ワンレフ(一眼レフカメラ)女子”だからでしょう。そうした分析を総合すると、旅行やカメラの話が共通の話題になることは間違いないはずです。
ただ気になるのは、中東の放送局アルジャジーラのニュースを配信する「Al Jazeera English」があること。語学の勉強のためだとするならば、ほかにTOEICなどの資格系アプリがあっても良さそうですが、ありません。もしかしたら帰国子女さんなのかなと、気になるところです。
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Sさん「不要なものがあるのは許せません! すぐに捨てたくなります」
以上のプロファイリング結果をSさんに報告すると、「すごいですね。当たってる」と分析結果に驚いていた。インストールしているアプリが少ないことについて聞くと、「ゲームはあまり好きじゃないんですよ。無駄に時間が取られる気がしちゃって。スマホで暇つぶしをするならニュース系のアプリを見ちゃいますね」と理由を話してくれた。
“きっちりした性格”という分析結果については「ゴチャゴチャしているのが嫌いなんですよ。だからアプリも少ない。不必要だと思ったらすぐ消しちゃいます。部屋もそうなんですが、ゴミとか不要なものを捨てたり整理するのが大好きなんですよ。几帳面とはよく言われますね」と当たっているようだった。
また、“サバサバしている”については、「うんそうですね。キャピキャピした女の子を見るとちょっと羨ましくも思います。ロマンチックな場所とかも、なんだか自分が恥ずかしくなっちゃうんですよね」と、照れ笑いを浮かべていた。そうした性格は男性にも同様のものを求めるようで、「男らしい人が好きですね。女々しいのはちょっと……。なので余裕のある年上の方なんか素敵だと感じちゃいます」と自身の好きな異性のタイプについて教えてくれた。
ちなみにロック画面の犬は、実家で飼っている愛犬だそうで、「キャラクターよりも実際の動物の方がカワイイって思います。なので遊園地とかよりも動物園や水族館に連れてってくれるほうが嬉しいですね」とのこと。
また、“ワンレフ女子”、“帰国子女”については、「カメラはもともと好きなんです。最近新しいカメラを買ったので、アプリをインストールしています。海外旅行系のアプリが多いのは、昔エジプトに1年間語学留学していたからなんですよ。勉強したことを忘れないために。今年もまた行こうと思っているんですよ」と笑顔で話していた。
平松隆円…化粧心理学者/大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。