JR西日本はこのほど、JR京都線、JR神戸線、JR宝塚線、学研都市線などを走る207系通勤形電車のリニューアルに着手すると発表した。
207系通勤形電車は、103系通勤形電車などの置換えとJR東西線開業にともなう車両増備のため、1990~2003年度の間に484両が製作された。このうち、初期の車両は新製から20年以上が経過していることから、安全性向上対策やバリアフリー対応の充実などをめざしたリニューアルを行う。
安全性向上対策としては、JR西日本として初めて、座席中間に縦の握り棒と仕切りを設置。握り棒は立っている乗客だけでなく座席から立ち上がる際にも便利で、座席中間の仕切りは万が一の衝突時に備えたものだという。車両外側にも側面衝突対策やオフセット衝突対策を施す。また、脱線などの異常を検知した際に自動的に緊急停止や近隣の列車を停車させる「車両異常挙動検知装置」も設置。先頭車同士が連結した際に連結箇所への転落を防止するためのホロも取り付ける。
バリアフリー対応も拡充し、編成の両先頭車に車椅子スペースを新設するほか、ドアを閉める際の案内音声も導入する。客室の照明にLEDを採用し、省エネ化にも努める。老朽化した電子機器も更新し、安定輸送確保を図る。