元海軍兵士が各国の特殊部隊と"鬼ごっこ"をする番組『ザ・マンハント』(毎週火曜23:00~)の第2話「ポーランド 国境警備隊編」が23日、ドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」で放送される。
元アメリカ海軍ネイビーシールズのジョエル・ランバートが、エリート揃いの追跡チームを相手に本気の"鬼ごっこ"を繰り広げる同番組。計6チーム(南アフリカの国際密輸撲滅基金部隊、ポーランドの国境警備隊、パナマの麻薬取引を取り締まるエリート部隊・セナフロント、アメリカ陸軍、フィリピンのスカウト・レンジャー部隊、韓国の特殊部隊・KNP-SWAT)と、サバンナ、高地、湾岸地帯、荒野、ジャングル、島といった各チームが熟知した環境で対戦する。
ジョエルは22歳の時にトップの成績で海軍に入隊。特殊部隊にも配属され、米軍の中でも最も過酷と言われる基礎水中爆破訓練(BUD/S)も通過。10年間、アフガニスタンやコソボにも出向き、海軍最後の2年間はBUD/Sのトレーナーを務めた。そんな超人とも言える彼が、バリバリの現役エリート軍人たちとの鬼ごっこに挑戦する。与えられた時間は36時間。敵の追跡を振り切り、制限時間内にゴールにたどりつくことができればジョエルの勝利となる。ゴールを把握しているのはジョエルただ一人。そのため"鬼ごっこ"だけでなく、かなりハイレベルな"隠れんぼ"要素も含んでいる。所持品は基本的なサバイバルキット(サバイバルナイフ、斧など)と1リットルの水。足りない物は自力で調達する。
第1回で、南アフリカの国際密輸撲滅基金部隊"IAPF"を相手に見事な勝利を飾ったジョエル。今回は、西ヨーロッパの密輸阻止の最前線で活躍するポーランドの国境警備隊に挑む。前回の相手は四輪駆動車2台に少数精鋭たちの目視での追尾だったが、今回は人数、装備共にはるかに凌ぐ。パトロール隊員は約50人。バイクと全地形対応車に加え、馬や追跡犬も導入。さらに、後半ではヘリが登場し、サーマルスコープ(暗視装置)を駆使して上空からジョエルの行方を追った。果たして、これだけの監視網をどのような手段でかいくぐっていくのか。
舞台は、ポーランドとウクライナの国境付近に位置する高地。草原と森が点在している。ゴール地点(ライスキエの町に架かる橋の先)までは約25キロ。追跡チームには、「ジョエルが検問所の4キロ圏内に侵入する」と予告されている。この道17年のオストロフスキー少佐は、50人のパトロールチームを編成し「国境警備隊の名誉にかけて総力を挙げて追跡します」と気合十分。リソフスキー大尉のチームは監視カメラが捉えた地点を中心に捜査を開始した。前回は足跡を付けないために石の上を歩いたり、火をおこして注意を引いたりと、相手の行動を読んだ上での策が功を奏したジョエル。今回はさらにあっと驚く計略を披露してくれる。
大尉はつぶさに地面を調べ、草の倒れ方や損傷した枝葉をヒントにジョエルを追跡する。ところが、現地の人々が頻繁に使う幹線道路であることから、地面はバイクや自転車の痕跡、足跡だらけ。そこで活躍するのが、これまで500人の拘束に貢献した追跡犬・デンゼル。ジョエルが踏んだと思われる草の匂いを嗅がせると、30分後に匂いを感知した。「よし! でかした!」と興奮する追跡チーム。ところが、デンゼルに導かれるがまま、しばらく歩いてようやく「同じ道を堂々巡りするようになっている」。これはジョエルが周到に仕組んだ罠。故意に草を踏みながら歩き、同じ場所に戻ってくるようにあえて証拠を残していた。
その後、一時は2キロほど離れた互いの距離が、700メートルほどに接近。しかし、ジョエルは出くわした犬に自分の匂いを染み込ませた止血帯を巻いて放ち、再び追手をかく乱。また、約23メートルの断崖絶壁を前に背後まで迫られた際には、木を切り倒して途中まで下降しながらの大ジャンプ。着地後は匂いを残さないために川を泳いで移動するなど、咄嗟の判断で逃げ続けた。ところが、そんな彼の上空にヘリが飛びはじめる。狩猟小屋に立ち寄った時に気づいたジョエルは、そこで見つけた鏡でサーマルスコープを反射させ、次に橋の床板の下へと移動。さらに、トラックの下に潜って約5キロの移動に成功した。
同番組は、この逃走劇を間近で伝えるために撮影班が同行している。転んで大きな物音を立てて時に足手まといな存在になってしまうが、ジョエルは部下と進軍するかのごとく冷静に指示を送る。ところが、トラックの下に潜った際やあまりの緊急事態の時にはこの撮影班を置き去りにしてしまうことも。そんなジョエルに思わぬところで"足"がつく。明け方、地元住民から「車両下から男が飛び出した」という通報が入り、警備隊はジョエルと確信。逃げた方向からゴール地点を予測し、挟み撃ちでの捕捉を目論んだ。一方のジョエルは森の中でカッコウの声を聞き「行く手に人がいない証拠です。いれば鳴かない」。ところが、背後からは追跡犬・デンゼルの一団が猛追を仕掛けていた。
■ジョエル流 生き残るための5つの必須項目
(1) サバイバルナイフ…ジョエルの良き相棒。さまざまなシーンでジョエルを助ける万能アイテム。
(2) サバイバル知識…シェルター作り、水や食べ物の確保、火起こしの方角…など生き残るには豊富な知識が必要となる。
(3) 正気を保つ精神力…サバイバルの中での失敗の多くは、空腹、渇き、疲労が原因。過酷な状況でも正気を保つ精神力は重要。
(4) 忍耐力…いかなる環境にも適応できなければ、生き残ることはできない。そのために耐え忍ぶことは当たり前。
(5) 男らしさ…いざという時に頼れるのは己の肉体のみ。メンタル、体力を日々鍛えておくことはとても重要。