三井不動産レジデンシャルが中心となって立ち上げたプロジェクト「サステナブル・コミュニティ研究会」はこのほど、「マンション・コミュニティに関するアンケート調査」の結果を発表した。
同調査は、三井不動産グループが管理する首都圏のマンション5棟の居住者を対象として2012年12月(配布・回収)~2014年4月(分析)に実施。サンプル配布数は1,575戸。回収率は29.9%。※グラフ出典・三井不動産レジデンシャル
災害時に駆けつけてくれる人が「いない」居住者は5割を超える
「災害時に駆けつけてくれる人がいるか」と聞いたところ、5つの調査対象マンション全てで「いない」と回答した人が5割を超えた。築年数が1年未満のマンションでは「いない」が約8割と突出して高い数値だったが、築年数が20年以上のマンションでも過半数が「いない」と答えており、マンション居住者の関係づくりは、築年数の経過や居住の長さだけでは醸成されないことがわかった。
「顔と名前が一致する人の数」が多いほど災害時に駆けつけてくれる
「顔と名前が一致する人の数」と「災害時に駆けつけてくれる人」の関係をロジスティック回帰分析と呼ばれる方法で分析したところ、「顔と名前が一致する人」が増加すればするほど、災害時に助けてくれる人が「いる」と答える割合が高まることが分かった。「顔と名前が一致する人」が20人以上いると答えた人では、約7割以上が「いる」と考えていた。
顔と名前を一致させる秘訣は「おすそ分け」
マンション内の居住者間で行われている日常のつきあいの種類を11項目例示し、「そうしたつきあいをしている人が同じマンション内にいるか」を聞いたところ、「いる」と答えた人が多いほうから、「会釈」→「挨拶」→「立話」→「連絡先交換」→「おすそ分け」→「お茶・食事」→「趣味・興味」→「悩み相談」→「SNS」→「お出かけ」→「鍵預け」の順となった。
また、11項目の日常のつきあいの種類間の関係を分析したところ、「おすそ分け」が他のつきあいの項目との関係が最も深く、「連絡先交換」「お茶・食事」「悩み相談」等、比較的深いつきあいの項目との関係が強いことが分かった。
さらに、「顔と名前が一致する人の数」と「おすそ分けをしあう人の有無」の関係を見ると、おすそ分けをしあう人が「いる」人の約20%が、「顔と名前が一致する人」が20人以上いたのに対し、「いない」人では約2%だった。