鏡を見ると頭に白い髪が……。思わず「これはマズイ」と抜こうとしたとき、「白髪が逆に増えるから抜かないほうがいい」と言われた経験はないだろうか。また、「ストレスや恐怖体験で、一夜にして髪が真っ白になった」などといううわさも聞いたことがある人もいるかもしれない。こういった白髪にまつわるうわさは本当なのだろうか。一つひとつ検証していこう。
「白髪は抜くと増える」に科学的根拠なし
抜くことによって白髪が増えるということはないが、頭皮や抜いた毛の周りの毛母細胞を刺激してしまう可能性がある。それによって、白髪になるとは限らないが、髪にダメージを与えてしまうことは考えられる。抜くと薄毛になってしまう可能性もあるため、抜くよりも切るか刺激が少ないカラーリング剤で染めた方がよいだろう。
マリー・アントワネットなど、歴史上の人物が一夜にして頭が真っ白になったという伝説があるが、これも都市伝説に近い。ストレスが白髪をはじめとした発毛にダメージを与えることは考えられるが、白髪は毛根から発生するため伸びてくるまでには時間がかる。つまり、一夜で真っ白になることは科学的にはありえないのだ。おそらく、白髪に気づかないほど忙しかったりストレスを抱えていたりして、ふとみたら、時間の経過から白髪が増えていた、ということかもしれない。
白髪は同じ場所にできやすいのは科学的根拠あり
白髪の発生原因はまだわからない部分が多いのが現状だ。ただ、ストレスなどがたまると寝不足になったり、血流が悪くなったりするなど、髪にダメージを与え、白髪を作るもとになることは考えられる。
原因がわからない一方で、白髪は同じ場所にできやすい傾向がある。比較的出てきやすいのが、こめかみとこめかみを結ぶ横のラインだ。多くの人が白髪を気にするのは、顔の目立つ場所にできやすいことも影響している。また、頭上の白髪もよく目立つ。白髪は黒い毛に比べて太くて強いので、ピンと立って生えてくるので目立ちやすいのだ。
都市伝説ではない白髪ケアの4つの対策
ほとんどの白髪は加齢現象なので、できてしまったものは受け止めるしかない。白髪が出始めたら、ゼロに戻すことはできないのだ。だからこそ、白髪があっても美しい髪を保(たも)てるように、トリートメント効果が高いヘアカラーを選ぶなど、髪をいたわるケアを心がけることが大切になってくる。
ちまたにあふれる白髪対策は都市伝説レベルのものが多いので、そういった情報にまどわされず、以下の対策をしっかりするようにしよう。
対策1 ヘアカラー剤と上手につきあう
白髪はまだ予防するメカニズムがはっきりしていないため、白髪をなくしたいと思う場合は、染めるという選択しかないのが現状だ。カラーリングは髪を傷めてしまうこともあるが、最近はヘアカラーの要素をプラスしたトリートメント剤も出てきている。そういったものを活用すれば、髪への負担はかなり軽減できるはずだ。
対策2 亜鉛や銅などのミネラルをたっぷり摂取
昔から小さな魚や海草、黒ごまは白髪に良いと言われている。これらは毛髪に重要な栄養素のため、白髪にも効果的と考えられている。大量に摂取する必要はないが、少し料理に加えるなど工夫してみるといいだろう。
対策3 睡眠をたっぷりとる
睡眠と白髪の直接的な関係はないが、いい毛髪・頭皮環境を作ることは白髪にもいいと考えられている。質のよい睡眠も毛髪・頭皮環境には重要なポイントになる。1日7時間を目安に、熟睡できる環境づくりをするように心がけよう。
対策4 ストレスはためない
ストレスもためないほうが無難。ストレスがたまると血流が悪くなる。それによって、髪や頭皮にいい栄養が届きにくくなる可能性も出てくる。さらに、ストレスをためていると出ている白髪にも無頓着になってしまう。そういった意味からも、ヘアケアに気を配れることができる余裕がある生活を目指すようにしよう。