映画『スター・ウォーズ』のシーンは現実で再現可能なのか? 20日にドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」で放送される番組『怪しい伝説 スター・ウォーズSP』で、その検証が行われる。

左からアダム・サベージ、ソフィア・ブッシュ、ジェイミー・ハイネマン

フリーの特殊効果マンのアダム・サベージと、化学や物理学や工学等をはじめとした諸分野に幅広く精通したジェイミー・ハイネマンの"伝説バスターズ"コンビがさまざまな実験を行うシリーズ『怪しい伝説』。今回は『スター・ウォーズ』をテーマに、3つの劇中シーンの再現に挑む。「まずは形から」が同番組の真骨頂。ストームトルーパーの軍勢役のために世界的に有名なコスプレグループ「第501軍団」を招集した(アダムは名誉会員)。

まず最初に挑んだのは、ストームトルーパーに追われたルーク・スカイウォーカーとレイア姫がデススターから脱出を試みるシーン。ジェイミーがルーク役を務めた。ルークはベルトからフック付きのワイヤーを伸ばしてポールに引っ掛け、レイア姫を抱えながら大ジャンプする。この実験のために映画とほぼ同じフックを製作。標的となるポールまでは約10メートルの距離で、ジェイミーは何度もワイヤーを投げるが、一向に引っ掛けることができない。ルークはこれを1回で成功。早くも映画との違いが生じた。

そして、「ベルトは2人分の体重を支えられるのか」という問題。映画と同じレイアウトのセットを組み、マットを敷いて距離を縮め、安全面を考慮した。ジェイミーはダミーの人形を抱えてなんとか渡りきるも、ベルトが肋骨を圧迫して「痛すぎる」。この結果を踏まえてベルトをハーネスに変更。レイア姫のそっくりさんとして女優のソフィア・ブッシュが加わり、いざ本番へと挑んだ。結果、ジャンプは大成功。映画をそのまま再現できたとは言い難いが、無事に渡ることができたこともあって「あり得る」という結論に。ちなみに、ストームトルーパーたちはジャンプしている2人に集中砲火を浴びせていた。

2つ目は、ハン・ソロが氷の惑星ホスで吹雪の中で瀕死のルークを見つけ、トーントーンの腹の中に入れて助けるシーン。この実験のために、高さ2.5メートルのトーントーンを製作。内蔵部分まで再現した。また、ルークの代役として体温測定が可能な人形・サーマルマンを用意。人工心臓によって血液が循環し、体温は少しだけ低下した35度に調節されている。トーントーンの内蔵も37度に温め、そこにサーマルマンを仕込んだ。これをマイナス45度の冷蔵庫に入れて2時間半(悪天候の中で1人の登山家が雪に洞穴を作るために要する平均時間)放置。結果、サーマルマンの体温は33.3度。哺乳類の体は75%が水でできているため、熱を吸収して保温する力に優れている。一見無謀とも思えるが、これも「あり得る」という結論に至った。

そのほか、イウォークが巨大な2本の丸太で帝国軍のスカウト・ウォーカーを破壊するシーンにも挑戦。屋外に番組史上最大級の装置がセットされ、実験が行われた。番組『怪しい伝説 スター・ウォーズSP』は、9月20日(23:00~)、23日(20:00~)、24日(12:00~)に放送される。

【実験1】ストームトルーパーに追われたルーク・スカイウォーカーとレイア姫がデススターから脱出を試みるシーン

【実験2】ハン・ソロが氷の惑星ホスで吹雪の中で瀕死のルークを見つけ、トーントーンの腹の中に入れて助けるシーン

【実験3】イウォークが巨大な2本の丸太で帝国軍のスカウト・ウォーカーを破壊するシーン