NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社は19日、新型iPhoneの2機種「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発売した。発売直後の時点では、各社のネットワークはどのようになっているのだろうか。本稿では、丸の内、新橋、品川、新宿という都内4カ所のビジネス街で3社のiPhone 6を使い、通信速度を測定してみた。
都内4カ所の平均下り速度ではKDDIが最速に
今回、iPhone 6のスピードテストを実施したのは、丸の内、新橋、品川、新宿という都内4カ所。いずれも都内有数のビジネス街として知られている。計測には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用し、各地点で1回ずつ速度を計測した。
結果をまとめると、都内4カ所の平均下り速度で最速となったのは、KDDIのiPhone 6で、平均36.93Mbpsを記録した。2位はソフトバンクで平均22.19Mbps、3位はドコモで18.23Mbpsだった。
各所のスピードテストの結果をチェック
それでは、都内のビジネス街4カ所におけるiPhone 6のスピードテストの結果を詳しく見ていこう。
都内4カ所で実施した3社のiPhone 6の速度計測結果 (※拡大画像はこちら) |
まずは、東京駅もほど近い丸の内の「ソニー銀行」(ヤンマー東京ビル)前で計測を行った。結果は、下り速度ではKDDIが首位となり32.78Mbps、次いでソフトバンクが14.05Mbps、ドコモは9.67Mbpsで3位だった。KDDIが唯一、下り30Mbps超えを記録し、最速だった。
次に、新橋の「汐留シティセンター」前で計測を行った。こちらでも下り速度で首位となったのはKDDIで、下り31.17Mbpsを記録。ソフトバンクは29.36Mbpsという僅差で2位だった。また、ドコモは24.24Mbpsで、20Mbps以上を記録したものの、3位という結果に終わった。
品川では、港南口側にある「品川フロントビル」近くで計測を実施。本地点では、KDDIが下り16.46Mbpsで首位、ドコモが15.23Mbps、ソフトバンクが13.69Mbpsとなり、3社の下り速度が均衡した。また、ソフトバンクの上り速度が、各社の下り速度のいずれよりも速いという珍しい結果になった。
最後に、西新宿にある「新宿野村ビル」の入口前広場で計測を行った。本地点では、3社とも下り20Mbps以上を記録して好調だったが、とくにKDDIは下り67.29Mbpsという全調査地点での最速を記録し、首位だった。次いで、ソフトバンクが下り31.67Mbps、ドコモが下り23.79Mbpsという結果だった。
3社iPhone 6の都内4カ所における速度計測の結果をまとめると、下り速度ではKDDIがすべての地点で首位となった。また、平均下り速度は、KDDIが首位で36.93Mbps、2位はソフトバンクで平均22.19Mbps、3位はドコモで18.23Mbpsという結果だった。
KDDIのiPhone 6が最速、その理由を考える
今回実施したスピードテストでは、KDDIのiPhone 6が都内4カ所中すべての地点で下り速度が首位となり、ドコモとソフトバンクを上回った。KDDIが首位になった理由としては、今回のiPhone 6が、TD-LTEおよびキャリアアグリゲーション(CA)に対応したことが挙げられるだろう。
KDDIの傘下のUQコミュニケーションズが提供する「WiMAX 2+」は、TD-LTEに互換性のあるネットワークとなり、同社のiPhone 6ではWiMAX 2+の下り最大110Mbpsの通信が可能。さらに同社では、LTEの800MHz帯と2.1GHz帯を束ねて高速化し、下り最大150Mbpsの通信を可能とするCAを提供しており、同社のiPhone 6ではCAも利用可能となっている。
昨年の「iPhone 5s/5c」では、プラチナバンドと呼ばれる800MHz帯のLTEが注目を集めたが、KDDIのiPhone 6では、さらにネットワークが強化され、それが今回の下り速度で首位という結果につながったと考えられる。あくまで4カ所のみでの実測結果だが、都内のビジネス街で利用する際には、KDDIのiPhone 6のネットワークが期待できそうだと言える。