旺文社「螢雪時代」編集部では、全4(6)年制大学(748大学。通信制を含む)に対し、インターネット出願(以下、ネット出願)の2015年入試における実施についてアンケート調査を実施した。9月上旬までに国公立150大学、私立501大学から有効回答を得た。

インターネット出願状況

同調査における「ネット出願」は、大学ホームページの専用画面で、入試に対しエントリーの段階まで可能な出願(調査書、作成した出願票の印刷等を郵送して、最終的に出願完了)に限定している。

ネット出願の実施状況について尋ねると、私立大では「既に導入済み」「新規導入が決定」「新規導入を検討中」が、全体の約32%を占めた。一方、国公立大では「ネット出願」実施大学は約4%に留まっている。

また、私立大実施校の21.0%が、ネット出願の対象となる入試で紙の願書を廃止した。うち、私立26大学(通信制を除く)が一般入試(センター利用を含む)で紙の願書も廃止している。

ネット出願を導入した理由について聞くと、「受験生の利便性向上」、「コストダウン」が多くを占めた。導入しない理由は、システム構築など初期投資に対し、規模の点からコストダウンの効果が見込めない、など。この理由は特に小規模校に多く見られる。また、セキュリティ管理への不安から、情報流出に懸念を抱く声も多かった。

同時に全国各地区の高校・予備校の進路指導の先生に、ネット出願に関する意識調査を行った(8月末までの集計分までで40校の回答を分析)。ネット出願について尋ねたところ、21校が「評価できる」「ある程度評価できる」と回答している。評価できる点はとして「記入ミスの減少」「締切日直前でも出願できる」が挙げられた。

(高校・予備校の進路指導の先生を対象に)ネット出願についてどう思いますか?

評価できない理由については、「個人情報の流出」「安易な出願」などが多い。また「ネット環境のない受験生への配慮」を求める声もあった。