東芝は18日、同社のPC事業の安定的な黒字化に向けた施策を発表した。

新施策では、BtoB分野への構造転換を加速させ、2016年度中にBtoB分野の売上構成比50%以上を目指す。一方、BtoC分野は市場の変動性が高くPC需要の減少も見込まれるため、採算性の改善が見込まれない国・地域で事業を終息する。

これらの施策展開にともない、国内外で、製造部門を除くPC事業に関わる従業員総数の約20%強に相当する約900名の人員削減を行い、2013年度比で200億円以上の固定費削減を図る。

なお、2014年度の業績予想は5月8日発表時点から変更はなく、売上高67,000億円、営業損益3,300億円、継続事業税引前損益2,500億円、当期純損益が1,200億円とする。2014年9月末を基準とする余剰金の配当は1株あたり4円。

BtoB分野の概要・見通し

グローバル市場での法人販売チャネルの拡大、自社グループの事業基盤と連携した企業向けクライアントソリューションの強化などにより、新規事業および顧客の開拓を進める。同時に、法人需要に即した製品ラインナップの拡充も図る。

また、今後拡大を見込むIoT(Internet of Things)分野で、BIOSやセキュリティ、無線実装、高密度実装などの差異化技術を活用し、同社グループが保有する社会インフラやクラウド、ヘルスケア、家電などの事業領域に適用した製品やサービスを積極的に推進。PC分野のみに依らない事業モデルの構築を加速する。

BtoC分野の概要・見通し

BtoC分野は、数量・規模拡大に過度に依存する事業モデルから転換するとして、採算性の改善が見込まれない国・地域について事業を終息する。具体的には、2014年度中に、販売拠点を現在の32拠点から、19拠点減らした13拠点とする見込み。

これによりBtoC分野については、BtoB分野の強化と連動性の高い先進国市場を中心とした地域で展開する。合わせて徹底的な軽量経営を目指し、プラットフォーム数の絞り込みによる開発や調達・流通コストの削減を進めるほか、グローバルオペレーションプロセスの見直し、国内本社機能のスリム化、一部本社機能の海外移管などを進める。