東京都・荒川区に、猫好きが密かに集う飲食店があるらしい。お店の名前はねこまる茶房。猫好きが集まるといっても、店内で猫と触れ合える、いわゆる猫カフェではないという。はたしてどんなお店なのか、調査に向かった。
古民家を改装した昭和レトロなお店
JR山手線鶯谷から地図を頼りに歩くこと約7分、小さな看板を発見。しかしぱっと見た感じは民家で、全然お店らしくない。本当にここでいいの? と不安になりつつ呼び鈴を押すと、着物姿の女性が出迎えてくれた。その方こそねこまる茶房のオーナー丸山晶代さん。ちくわぶ料理研究家としても有名な方だ。
早速、中へ通してもらう。
もともと民家として使っていたところを改装したそうで、1階奥の部屋が飲食スペースとなっている。店内は、古い建物の風情と、そこかしこにある猫グッズがうまく調和して、ちょっと怪しい昭和レトロの雰囲気が色濃く漂っている。まさに猫好きの隠れ家という感じのお店だが、知らない人は入りにくいのではないのだろうか。
「わざとそうしているところもあるんですけど、あえてお店らしくしていないので、わざわざ来てくださる人しか来ないです(笑)」(丸山さん)
客の8割が女性だというが、男性客も来るという。なぜか女性でも男性でも一人で来る人が多いらしい。猫好きの共通点だろうか。そしてほとんどの方のお目当てのひとつが、このお店自慢の料理だという。
ネーミングもかわいいにゃんこ料理の数々
「実際に料理が出てくると、99%の方が食べる前に写真を撮ってらっしゃいます。もちろん味にもこだわっていますよ」(丸山さん)
メニューは猫の顔に見立てた、その名も「ニャポリタン」にはじまり、「ひニャし中華」、さらには「ニャプチーノ」までまさに猫づくし。中でも人気なのは、毎月変わるカレーなんだとか。
猫好き同士が集える場所を
こうしたお店をオープンしようと思ったきっかけは、猫好き同士が仲良くなれる場所をつくたかったからだという。
「犬好きの人って、散歩中に知り合ったりすることがあると思うんですけど、猫好きの人たちって、そういう機会がほとんどないんですね。だから猫好き同士が猫きっかけで仲良くなれる場所になればいいなと思いまして」(丸山さん)
実際、このお店がきっかけでお客さん同士仲良くなったりするケースもあるという。また常連さんも多くいるが、はじめて来た人が入りにくい空気ではなく、いつでも大歓迎とのこと。もちろんひっそりとしていたい人は、自分のペースで猫の本を読んだりして過ごしているらしい。
運が良ければこの家の猫に会えるかも?
ねこまる茶房は、丸山さんの自宅兼お店(1階)のため、運が良ければ丸山さんの飼い猫に遭遇できるかもしれないという。
「今、うちにはモモちゃん、おはぎ、きなこの3匹の猫がいるんですけど、一番年上のモモちゃんときなこは、たまに1階に下りてきます。おはぎは絶対に下りてきませんが(笑)」
最近では、愛猫の写真を持ってきてもらうと店内に張り出してくれるうえ100円引きになる割引や、料理を写真付きでツイートしたり、フェイスブックに「いいね!」をすると100円引きになる割引もはじめたとのこと。
その他、月1回程度不定期で開催される「裏猫BAR」も好評で、毎回予約で満席御礼になるんだとか。また、アメリカ在住の作家による個展も開かれる予定とのこと。
愛猫自慢がしたくてうずうずしている猫好きの人は、訪れてみてはいかがだろうか。
ただし、通常営業時間は土曜日と日曜日の12時~18時なのでご注意を。