日立アプライアンスは9月17日、同社のルームエアコン「ステンレス・クリーン 白くまくん」Xシリーズの2014年度モデルの発表会を開催した。定格出力2.2kW(約6畳用)~8.0kW(約26畳用)まで計9機種を10月31日に発売する。
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日立、エアコン「白くまくん」新モデル - 部屋を3Dで把握して気流を届ける(2014年9月17日)
2012年度モデルから「くらしカメラ」と呼ばれる画像認識カメラを搭載した同シリーズ。カメラが居室内の人や間取りを認識し、人の人数や居場所を把握し、適切な運転制御を行うという日立独自の技術だ。その翌年の2013年度モデルからは、在室者の周囲の温度を検知する機能が追加されているが、今回の新モデルでは「ものカメラ」を加えた3つのカメラで構成される「くらしカメラ3D」として、さらに進化が図られている。
近赤外線LED、画像カメラ、温度カメラで構成される「くらしカメラ 3D」のユニット(上段)と旧機種のユニット(下段)。新機能の「ものカメラ」は、画像カメラに近赤外線透過フィルターを重ね合わせることで、家具の位置と形状を検知する |
新機能により、カメラがソファやテーブルなどの室内の家具の位置や形状を認識。これにより、カメラが気流の通り道を判断し、家具により気流を遮るのを防ぎ、従来機種に比べてより効率的で快適な運転を行えるようになった。
新モデルでは、さらに2枚あるフラップのうち前方部分を3分割した機構に変更。3枚のフラップを上下方向に独立して制御できるので、より細かな気流の制御が可能になっている。
また、くらしカメラ3Dを構成するカメラの1つ「画像カメラ」が従来からの人検知に加えて独自のアルゴリズムにより足元の位置も検知できるように機能を強化。新たに搭載された「ゆか暖」機能と連携して、カメラで足元を検知するようになった。これにより、足元に向け集中運転を行い、足元付近の温度を約36°Cで暖める。
【左】足元の検知は、人検知機能を用いて頭部を検出後、頭部の大きさを基にエアコンからの距離を推定し、温度など床面の情報と姿勢の向きから足が存在する領域を推定する 【右】「ゆか暖」機能による床面の温度変化の実演。足元の温度は5分ほどで25.5°Cから38.7°Cまで上昇した |
そのほか、室内機の熱交換器の伝熱面積の拡大や、室外機のプロペラファンの直径の拡大など、室内機・室外機の構造を設計変更することにより、省エネ性能の向上も図られている。
市場想定価格の一例は、RAS-X22E(冷房能力2.2kW・6畳相当)が24万円前後、RAS-X40E2(冷房能力4.0kW・14畳相当)が30万円前後、RAS-X80E2(冷房能力8.0kW・26畳相当)が39万円前後となっている。