ジェーシービーは16日、会員の属性や利用状況などのビッグデータやO2O(オンラ イン・ツー・オフライン)、顧客のニーズを瞬時に把握し最も効果的な情報を送るリアルタイムマーケティングなどの手法を活かした加盟店への送客サービス強化を目的に、カード決済に連動したクーポン・情報配信サービス「イマレコ!(IMA-RECOMMEND!) 」(以下イマレコ!)を開発したと発表した。

ジェーシービーは、2015年度下期のサービス本格展開開始を目指し、フィージビリティ検証を目的に10月から2015年3月までの6ヵ月間、新宿エリアで、百貨店・家電量販店・飲食店などの加盟店、およびぐるなび、ジェイティービー、東日本電信電話などの大手事業者とタイアップし、実証を行うという。

「イマレコ!」は、サービス利用者の属性や、利用者が事前に登録した趣味・嗜好などの情報、また、クレジットカード利用時の状況が、加盟店が事前に設定した配信条件に合致した場合に、同該加盟店のおトク情報やクーポンがリアルタイムでサービス利用者のスマートフォン(以下スマホ)やフィーチャーフォンに届く新サービス。

これまでの大多数のクーポンサービスは、"必要な時に利用者自らがクーポンを探す"ことが前提となっていた。位置情報を活用したクーポン配信サービスも存在するが、位置情報のみでは、適合性(配信されたクーポンと利 用者が求めるものが適合しているかどうか)が高いとは言えず、利用者の求めに適合したクーポンを配信するには、 位置情報に加え様々な付加情報が必要となるという。また、いわゆるビッグデータを活用したマーケティングは数多く行われているが、こうしたデータを活用してクーポンなどを配信する試みは、バッチ処理(あらかじめ設定した処理を一度に行う処理)が主流のためリアルタイム性に欠け、企業にとっては、マーケティングのタイミングを逃してしまう(ベストなタイミングで利用者に情報を届けられない)ことが一つの課題となっていたという。「イマレコ!」は、こうした課題に応える次の3つの特徴を保有。これらを併せ持つクーポン配信サービスは、国内初の試みとなるという。

「イマレコ!」の特徴

  • サービス利用者がJCB カード加盟店店頭でクレジットカードを利用した際のオーソリゼーション(信用情報の照会)を検知し、周辺店舗のクーポンなどのおトクな情報をリアルタイムで配信すること

  • オーソリゼーション以外の会員情報(属性、事前に利用者自らが登録した趣味・嗜好情報、クレジットカード利用時の状況など)を、加盟店が設定する様々な条件と照合し適合性を確認したうえで、合致するものがあれば即座にクーポンなどのおトクな情報の配信を実施すること

  • ジェーシービーが保有する会員属性情報と、蓄積した会員の利用動向および加盟店情報などのデータに基づいた将来行動予測から、様々な加盟店・施設・イベントなどでの、クーポンなどのおトクな情報をまとめて配信すること

「イマレコ!」の利用を希望するJCBカード会員(カード発行会社がジェーシービーであるカードを持っている人)は、対象期間中に所定の会員登録を行うことで、サービスの利用が可能になる(スマホの場合は専用のアプリケーションのダウンロードが必要)。10月時点での「イマレコ!」の参加加盟店・企業は7社(小田急百貨店、 ココカラファイン、新宿TSUTAYA、新宿メトロ食堂街、高島屋、ビックカメラ、モンテローザ)、11月以降に新たに6社(ぐるなび、Flags、丸井、三越伊勢丹など)が参加する予定で、対象期間中、合計13社の新宿エリアにある店舗が、「イマレコ!」を通じて優待やクーポンを提供する予定としている。

なお、サービス提供で利用する「イマレコ!」会員に関する情報は、会員登録時に利用目的に対し同意を得たうえで、ジェーシービーの情報管理システム内でのみ取り扱いを行い、参加企業との間では個人が特定できないよう統計化された決済動向やクーポン利用状況を共有するという。

また、ジェーシービーは「イマレコ!」の実証に合わせて、O2Oやデータ資産を活かしたマーケティングに関する、 次の6件のサービス(地方都市で商用化済みのサービス1件、将来的な本格展開を前提とした新サービス・機能 の実証4件、カード利用促進キャンペーン1件)を並行して展開するとしている。

「イマレコ!」は、国内最大規模の加盟店ネットワーク(国内加盟店契約数約860万件)の運営主体として、これまでに培ったマーケティングノウハウや蓄積されたビッグデータ、また、オーソリゼーションなどのクレジットカード決済独自の仕組みや、それを支える通信インフラを活かし、大都市圏では若年層を中心に既にコモディティ化したスマホを媒体として、送客サービスを強化するものだという。サービス実証の地として、百貨店や専門店、飲食店などの小規模店舗に至るまで、多様な店舗形態・業態が集積する国内屈指の商業圏であり、近隣駅周辺には居住人口も多い新宿を選定。

ジェーシービーは6ヵ月間の実証結果を検証し、2015年度以降、JCBブランドのカード会員全体へのサービス提供を目指し、対象となる地域や加盟店、会員の拡大、またサービス内容の改良などを検討していくとしている。

なお、各施策の展開に合わせて、10月18日(土)・19日(日)、12月13日(土)・14日(日)、2015年1月10日(土)・11日(日)の6日間、新宿各所にてブースを設けイベントを開催する。イベントでは、サービスの告知、キャンペーンの抽選会などを行う。

今後もジェーシービーは、顧客ニーズに応える商品やサービスを提供し、顧客満足度の向上に努めていくとしている。