キヤノンは9月16日、デジタル一眼レフカメラ「EOS 7D Mark II」をはじめとする新製品の発表に合わせて、報道関係者向けに新製品発表会を開催した。

【写真左】キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己代表取締役社長(中央)とキヤノン イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長の岡田正人氏(右)、キヤノンマーケティングジャパン 常務執行役員 イメージングシステムカンパニープレジデントの八木耕一氏(左)

関連記事
キヤノン、10コマ/秒連写・撮像面位相差AFの中級一眼「EOS 7D Mark II」(2014年9月16日)
キヤノン、65倍ズームでどんな被写体も捉えるカメラ「PowerShot SX60 HS」(2014年9月16日)
キヤノン、F1.8レンズと1型CMOSを搭載するコンデジ「PowerShot G7 X」(2014年9月16日)

EOS 7D Mark IIは、2009年に発表された「EOS 7D」の後継モデル。中級機でありながら、フラッグシップモデル「EOS-1D X」の12コマ/秒に迫る10コマ/秒という連写性能やオールクロス65点AFなどを備え、動体撮影に適している。

また、レンズ一体型カメラ「PowerShot SX60 HS」「PowerShot G7 X」も同時に発表。PowerShot SX60 HSは世界最高クラス(2014年9月時点)となる65倍ズームレンズを搭載する高倍率ズームモデルで、PowerShot G7 Xは開放F1.8(広角側)の大口径レンズや1型CMOSセンサーを搭載するモデルだ。

レンズ交換式カメラ市場は今後も拡大する

発表会では、キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の川崎正己氏が登壇した。川崎社長は冒頭、「レンズ交換式カメラ市場は今後も成長するマーケットだ」と強調。成長を見込む主な理由は2つあると、川崎社長は語る。1つはレンズ交換式デジタルカメラの普及率(世帯普及率)で、「EOSシリーズ購入者の6割は、初めてデジタル一眼レフカメラを買った新規購入者だ」ということもあり、まだまだ新規購入が見込めることを説明する。川崎社長によれば、「現状の世帯普及率は20%程度だが、将来的にはフィルム一眼レフやデジタルビデオカメラと同等の40%程度まで拡大すると見込んでいる」という。

同社がレンズ交換式カメラ市場の成長を見込むもう1つの理由は「消費者の意識」だという。博報堂(HABIT)の調査によれば、各種デジタル商品の個人保有率と購入意向において、デジタル一眼レフカメラは保有率が9.7%で購入意向率が17.5%、ミラーレスカメラは保有率が2.3%で購入意向率が10.1%と、購入意向率が保有率を大きく上回っていることから、レンズ交換式カメラ市場全体として市場拡大が期待できるという。

【写真左】レンズ交換式カメラの市場規模と世帯普及率 【写真右】レンズ交換式カメラの個人保有率・購入意向

購入意向に関しては、コンパクトデジタルカメラユーザーの56%が、またスマートフォンユーザーの60%が「レンズ交換式カメラへのステップアップアップを望む」という調査結果が出ている。コンパクトデジタルカメラユーザーでは、高級コンパクト機のユーザーとミドルクラス機のユーザーに限っていえば、前者は87%、後者は89%もの人がレンズ交換式カメラの購入意向を示しているという。

【写真左】コンパクトカメラユーザーとスマホユーザーのレンズ交換式カメラ購入意向度 【写真右】高級コンパクトユーザーとミドルクラスユーザーのレンズ交換式カメラ購入意向度

このような市場背景を受けて川崎社長は、「国内のレンズ交換式カメラ市場は、写真に対する意識と趣味性によって堅調なマーケットが維持できており、今後も拡大するマーケットだと確信している」と、力強く締めた。

【写真左】キヤノンがユーザー向けに展開しているEOS学園受講者の推移 【写真右】レンズ交換式カメラ市場は今後も拡大するという

発表会の最後にあった質疑応答で、「従来モデルのEOS 7Dの発売(2009年10月)から相当期間が経ってしまったのはなぜか」という質問があった。これに対してキヤノン イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長の岡田正人氏は、「連写性能をはじめとしてMark IIは従来モデルのEOS 7Dから圧倒的に進化しており、この"圧倒的"という点がマーケットに対しては重要と判断したからだ」と、飛躍的な機能進化を実現する技術の熟成を待ったことを説明した。

フォトギャラリー

「EOS 7D Mark II」フォトギャラリー(クリックで拡大とスライドショー)