地方から上京すると、自分では標準語だと思っていた言葉が実は方言だった……なんて驚きがあるもの。今回は、マイナビニュース会員の男女400名に「標準語じゃないの?」と本気でびっくりした言葉があるか聞いてみた。
Q.「これって標準語じゃないの?」と本気でびっくりした言葉は?
■「なおす」(片づける)
・「片付けるの意味だが、サッパリ通じない」(34歳男性/奈良県/金属・鉄鋼・化学/その他)
・「関西で通じるので全国的に通じると思っていた、『名探偵コナン』で、この言葉で犯人の嘘が見破られる場面があってショックだった」(32歳女性/福岡県/運輸・倉庫/事務系専門職)
・「『それなおしといて』と言ったら、壊れているものを修理するという意味でとられて『どこも壊れてませんよ?』と言われ、初めて標準語でないことを知った」(27歳女性/福岡県/商社・卸/営業職)
・「『使った道具をなおしておいて』というと関西では『元の位置に戻しておいて』だが、標準語では『修理しておいて』という意味になるので、東京出身の人に言うとポカンとしていた」(28歳女性/兵庫県/食品・飲料/事務系専門職)
■「ほかす、ほかる」(捨てる)
・「テレビで違うって聞いてビックリした」(26歳女性/奈良県/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「本当に相手の顔が『?』になっていた」(22歳男性/富山県/金属・鉄鋼・化学/技術職)
・「使ったら変な顔をされた」(30歳女性/愛媛県/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)
・「『ほかる』は標準語では捨てると言うのを知らなかった」(31歳女性/東京都/アパレル・繊維/事務系専門職)
■「えらい」(疲れた)
・「偉いではなく、疲れた、だるいの意味」(23歳女性/岐阜県/自動車関連/事務系専門職)
・「知らない友人に連呼してたら『何が偉いのよ!』とイラッとされてしまった」(32歳女性/愛知県/学校・教育関連/事務系専門職)
・「『えらい』で疲れたという意味は方言だと分かっていたので『しんどい』に直していたら、それも関西弁だと言われた」(26歳女性/三重県/金融・証券/事務系専門職)
■「なげる」(捨てる)
・「『ゴミを投げる』捨てるって意味だけど通じると思ってた」(24歳男性/青森県/金融・証券/営業職)
・「北海道弁だって知らないで使っていました」(23歳男性/北海道/運輸・倉庫/営業職)
・「『投げる』よく使っていて……『やめて!』と言われてしまい驚いた」(40歳女性/北海道/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「方言だと気づかず『投げて』と言ったら『???』みたいな顔をされて、捨てることだと言ったら『捨ててと言って』と言われた」(43歳男性/青森県/情報・IT/技術職)
■「ケッタマシーン」(自転車)
・「ケッタマシーン=自転車」(44歳男性/愛知県/その他/事務系専門職)
・「自転車を『ケッタマシーン』ということ、『なにそれ?』と言われた」(32歳女性/愛知県/学校・教育関連/事務系専門職)
■「たわん」「たわない」(届かない)
・「高いところに手が届かないというのを、広島などでは『たわない』ということ」(27歳女性/広島県/その他/その他)
・「『たわん』たわないのことですが、東京で物を取るのに『たわん、たわん』と言っていたらポカーンとされた」(26歳女性/広島県/医療・福祉/専門職)
■「じゃん」
・「『~じゃん』という語尾」(37歳女性/神奈川県/建設・土木/事務系専門職)
・「これは横浜弁らしい、本当でしょうか? だってみんな使っていますよね?」(26歳女性/神奈川県/医療・福祉/その他)
・「神奈川県の言葉と知って驚いた」(29歳女性/東京都/人材派遣・人材紹介/技術職)
■「むつこい」(脂っこい)
・「他に表す言葉がないし、方言だと知らなかった」(25歳女性/愛媛県/医薬品・化粧品/専門職)
・「脂っこいものを食べた時などに使う、胸がむかむかするような感じ、それに対応する標準語がないので、まさか方言だとは思わなかった」(27歳女性/高知県/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
■その他
・「『なかま』一緒に食べること、彼とごはんに行った時に『なかましよー』と言ったら『どういうこと?』と言われた」(25歳女性/岐阜県/その他/その他)
・「『そろっと』(そろそろ、という意味)大学の友達に『そろっと帰る?』と言ったら『は?』って言われた」(27歳女性/東京都/その他/秘書・アシスタント職)
・「テレビで『めばちこ』の意味がクイズになっていて混乱した」(25歳女性/大阪府/生保・損保/専門職)
・「『こちょがしい』(くすぐったい)という方言を思わず発してしまって、全然意味が通じずビックリした」(33歳男性/富山県/学校・教育関連/専門職)
■総評
「これって標準語じゃないの?」と本気でびっくりした言葉、一番多く寄せられたのは「なおす」だった。西日本では、物を片付けることを「なおす」と言うそう。「これ、なおしといて」と言ったら「壊れているの?」と言われてビックリした……というエピソードが寄せられていたが、当たり前に使っていた言葉がまったく通じずショックを受ける人もいるようだ。
次に多かったのは「ほかす」。「捨てる」という意味で、こちらも奈良や兵庫など西日本方面で使われているようだが、愛知県では「ほかる」、三重や大阪では「ほる」とも言うそう。「ちょっとそれ、ほかしといて」といった使い方をするそうだ。意味が分からないと、逆に大切に保管されてしまうかもしれない。
学校で使われる言葉にも地域独特のものが多いよう。愛知県では机を運ぶことを「机をつる」、模造紙を「B紙」、授業と授業の間の休み時間のことを「放課」と言うそう。静岡県では定規のことを「せんひき」、また西日本方面では「さし」とも呼ばれているようだ。
他にも、「バカ」の金沢弁「だら」や、「頭のてっぺん」を差す「てんこ」、「届く」という意味の「たう」など様々な方言が寄せられた。方言には、標準語にはない温かさや親しみやすさがあるもの。ふるさとの思い出とともに、いつまでも大切にしたいものである。
※写真と本文は関係ありません
調査時期: 2014年8月7日~2014年8月9日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 400名
調査方法: インターネットログイン式アンケート