実際に交際する前の片思いの段階、そして交際し始めた頃。恋人に対して、すごく情熱的に恋愛感情を抱いていたと思います。それが、次第に6カ月、1年とつき合っていくうちにその熱い恋愛感情が冷めてしまう。そんなことってありますよね。

そんな冷めてしまった恋愛感情を、再び熱いものにするにはどうしたらいいのでしょうか。

恋愛感情には男女差がある

実はその前に知ってほしいことがあります。なにかというと、恋愛感情の男女差です。音も女も同じ人間ではありますが、恋愛感情の抱き方には性差が存在します。一般的に男性は、恋愛の初期段階において恋愛感情が高まるのに対して、女性では恋愛後期に恋愛感情が高まります。

というのも、進化心理学的にいえば、恋愛は繁殖という行動を促進させるための感情。男性はメスである女性を繁殖のパートナーとして獲得したという衝動が恋愛感情に影響し、女性はオスである男性を自分や自分の子どもの養育者として獲得したいという衝動が恋愛感情に影響するからです。

つまり、男性からすると手に入れてしまった時点で、その女性に対する恋愛感情は低下するわけです。ですので、特に男性の恋愛感情が冷めてしまうというのは進化心理学的にいえば、当然のことかもしれません。

ですが、ひとはなにも繁殖だけを考えて生きているわけではありません。恋人を自分の情緒的なサポートをしてくれる相手として考えているわけですから、冷めた感情だって温め直すことは可能です。

冷めてしまった恋愛感情を取り戻す方法

ではあらためて、そんな冷めてしまった恋愛感情を取り戻すにはどうしたらいいのか。その解決の一つは、愛情を表現することです。恋人に対してあなたの愛情や親密さの感情を伝えることは、とても大事です。

その手段としては、恋人同士の固有の表現を使うということ。具体的にいうと、ふたりにしか通じないコミュニケーションをもつということです。たとえば、お互いの呼び名を決める、自分たちにしかわからないように他者の呼び名を決める、不満があるときにそれを表現する決まり文句や動作を決める、相手をからかうときの決まった言い回しを決める、性的な事柄を湾曲に表現する独特の表現を決めるなど。これは、恋愛感情が冷める前からやっておくと効果的なのですが、冷めてからでも遅くはありません。

実は、固有の表現がたくさんある恋人同士ほど相手に対する愛情や親密さが高く、将来結婚する可能性も高くなるといわれています。それは固有の表現が、恋人同士を特別な関係だと意識させるからです。そして、ふたりのつながりを強め、恋人同士の一体感を生み出すことにつながっていきます。そうすれば、自分にとって相手はかけがえのない存在なんだと思うことができるでしょう。

ぜひ、もう一度、熱い恋愛感情を取り戻したいとおもったら、試してほしいと思います。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。