2014年11月15日に劇場公開予定のオリジナル劇場アニメ『楽園追放- Expelled from Paradise-』の"ゼロ号試写会"が11日、新宿バルト9にて行われ、舞台挨拶にキャストの釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史、主題歌を担当するELISA、脚本の虚淵玄氏、そして水島精二監督らが登壇した。
『楽園追放- Expelled from Paradise-』は、水島精二監督(『機動戦士ガンダム00』)と、脚本の虚淵玄氏(『魔法少女まどか☆マギカ』『仮面ライダー鎧武』)がタッグを組んだオリジナルアニメ作品。虚淵氏が生み出した電脳世界を舞台とした未来像を、水島監督率いるチームが最新の3DCG技術でビジュアル化した大作だ。
挨拶の最後には『楽園追放- Expelled from Paradise-』のBlu-ray&DVDが12月10日に発売、さらに11月15日の劇場公開と同時に、劇場で購入可能な劇場限定版Blu-rayを発売することが発表された。
今回の試写会は、製作途中のかなり完成版に近い"ゼロ号"を一般ファンに開放し、さらに舞台挨拶まで行うというかなり異例の試み。上映終了後に登場した一同は、冒頭の挨拶で三木が釘宮の軽いモノマネを披露すると、神谷が「そういうのやらないといけないの!?」とすかさずツッコむなど、比較的ゆるやかなムードの中で行われた。
水島監督は虚淵氏との作品作りについて、「虚淵くんと組めるのは楽しい出来事でした。3Dの新しい表現が一緒にできるのは幸せでした」と満足気にコメント。虚淵氏は「ようやくこの台詞が言えます、『俺だって人が幸せになる作品書くんだよ!』」と、"虚淵作品はたくさん人が死んだり不幸になる"という風評を逆手に取ったコメントで会場を沸かせた。
本作は構想から完成までが非常に長期間に渡った作品ということで、虚淵氏は「この作品の企画を出した頃、『魔法少女まどか☆マギカ』の企画は影も形もなかったんです。自分を取り巻く環境が激変して、今この作品の完成に立ち会えるのは感無量です」と感慨深げだった。
今回のキャスティングは水島監督の肝いりで、「デザインとキャラクターを肉付けする作業の中で、釘宮さんの声が聞こえてきたんです。作業が進むにつれ三木さんや神谷さんの声が聞こえて3人にはこっそり打診してたんです」とのことだった。
アフレコについては釘宮が「アフレコが2回あって、仮アフレコにも参加させて頂いたんです。一度アンジェラを自分の中に通してから本番に臨めて、より自由にアンジェラを演じられたと思います」と、特殊なアフレコに言及。この形式は三木にも新鮮だったようで、「プレアフレコでお尻まで録ってから、もう一回改めて演じると、見えてくるものが変わってくるのが初めての経験でした」と語っていた。
釘宮は自身が演じるアンジェラ・バルザックについて、外見の変化と内面のギャップに戸惑ったと語り、「監督にアンジェラは当て書きって言われて、私ってこう見えてるのと思いました」と少し不服そうな様子を見せると、水島監督は「釘宮さんも実際の年齢や内面とは違うキャラクターを演じられる人だから」と苦笑しながらフォローしていた。
神谷は以前から虚淵作品に出演してみたかったが、虚淵氏の作品は用語や設定、台詞が難解なイメージがあったとのことで、「シナリオを受けとると難しい本でしたが、すごく面白かったんです。毎日台本を持ち歩いて、内容をよく調べてアフレコに臨みました」と気合いの入ったレコーディングだったことを伺わせた。また神谷は、水島氏の演技ディレクションで「フロンティアセッターは感情を出さないので、感情が動くような場面では声を大きくしてください」と言われたエピソードを明かし、新鮮な驚きだったと語っていた。 主題歌「EONIAN -イオニアン-」を担当するELISAは楽曲について「一曲の中に様々な展開があって、自然に感情が乗って歌えました」と語ると、こらも劇場ではなかなか無い生ライブで同曲を初披露。楽曲の世界に入り込んだ歌唱を目の当たりにした釘宮は大きく何度も拍手をしながら、「素敵すぎて涙出そうでした」と感激の面持ちだった。
締めの挨拶では、キャスト陣が口々に「3人のキャラクターに感情移入すると見え方が変わるので、3回以上は見てほしい」とアピール。最後は水島監督が「これは0号試写ですので、ここからまだブラッシュアップします。手を入れるのはパッと見ではわからない細かいこだわり中心になりますが、より伝わる作品になると思います。いま、盛り上がってる日本の3D映画で、今一番頑張ってる作品として『楽園追放- Expelled from Paradise-』を楽しんでもらえたらと思います」と静かな自信を込めて締めくくっていた。
『楽園追放- Expelled from Paradise-』は11月15日、新宿バルト9ほかで公開予定。