9月11日、ペットたちが健康なまま長生きできる国となることを目指す「ペット長寿国プロジェクト」の発足記者発表会が開催された。
日本はペット長寿国ではなかった!?
同プロジェクトを立ち上げたのは、ペットに関わる複数の企業、団体、獣医師ら。ギネス世界記録において長寿国と認められていながら、国内に暮らす犬や猫たちは歴代長寿ランキングに名前を連ねていないという日本の現状を憂い、ペットたちの健康を守るために、啓もう活動に力を注ごうと立ち上がったのだ。
オープニングでプロジェクトを代表して挨拶したのは、P&Gペットケア事業部アジア統括本部長の伊東正明氏。自身も4歳になるトイプードルと暮らしているという伊東氏は、家族の一員である愛犬が健康で長生きしてくれることが願いだと語り、プロジェクトの当面の目標を「日本のペットの平均寿命を3歳伸ばすこと」と発表した。
続いて、アニコム損害保険常務取締役執行役員・百瀬由美子氏、富士通ユビキタス事業本部コンシューマービジネス統括部ビジネス企画部部長・中西猛氏、セーブプロジェクト メリアル・ジャパン執行役員コレニオン・ミッチェル氏、日本全薬工業営業本部CA事業部著渡辺悟氏の4名も登壇。
それぞれのペットとの秘話を披露しながら、ペットと人とが幸せに共存する未来を目指して、各企業が行っている活動を報告した。
飼い主がペットの身体の構造を正しく理解すれば、日本は長寿国になる
また、獣医師を代表して記者発表会に駆け付けた、福岡県獣医師会会長の草場治雄氏は、「獣医師としては、まずはペットの飼い主たちの知識不足の解消に努めたいと思っている。ペットオーナーの中には、人間と動物の身体の構造の違いを正しく理解していない人が大変多い」とコメント。
草場氏によると、犬や猫は肉食動物のため、人間と同じ食べ物を与えてはいけないとのこと。
動物性たんぱく質が大切なので、肉を与えることが重要だが、丈夫な子でない限り、生で与えるのは避けた方がいいそう。野菜や果物は、犬猫にとっては有害なものも多いので、飼い主が食べているのを見て欲しがったとしても安易に与えるのは避けるべき。香辛料にいたっては絶対にNGだという。
「市販のドッグフード、キャットフードを利用する場合は、信頼のおけるメーカーのものを購入することをおすすめします。原材料やアレルギー成分についてもよく吟味するだけでなく、遺伝子組み換え成分が使われていないかもチェックするといいですよ」。
さらに、夫婦の不仲などで家庭内に穏やかならぬ空気が流れていると、ペットにもストレスが貯まるので注意した方がいいと喚起した。
特別広報大使の杉本彩さん、寺門ジモンさんがお肉の大切さをアピール
続いて登壇したのは、プロジェクトの特別広報大使に任命された、タレントの杉本彩さんと、お笑いタレントの寺門ジモンさん。
二人ともに動物が大好きで、ペット愛好家であることからの人選。杉本さんは、保護猫9匹、保護犬3頭の合計12匹の犬猫と一緒に暮らしているといい、寺門さんは2匹のトイプードルを「大切な家族」だと語る。
さらに、杉本さんは、一般財団法人動物環境・福祉協会Evaの代表として、日頃から、人と動物との幸せな共生のための活動を展開しているため、大使就任を「非常に光栄」と笑顔をみせた。
ペットは飼い主に笑顔と元気をくれる存在
杉本さん、寺門さんが持参したペットの写真がスクリーンで紹介されると、寺門さんは「僕は独身なので、家に帰ったときこの子たちが迎えてくれると本当にあたたかい気持ちになる。彼らが待っててくれるから早く帰ろうと思うし、愛情を与えただけ返してくれることにも感謝している」と顔をほころばせた。
これを受け杉本さんも、「ペットって、自分がお世話しているつもりになっちゃうけど、気付けば自分の方が元気をもらってるし、お世話になっている存在ですよね」と同調。
また、「食物繊維たっぷりの野菜は犬にとっても身体によいもの?」との○×クイズを出されると、二人ともに「×」と即回答。
司会者から正解だと告げられると、寺門さんは、「僕は肉好きタレントとしてイベントに呼んでいただくことが多いんですが、これからはどの現場でも、“お肉は犬猫にとっても健康のために必要な食べ物なんですよ”ってアピールできる」とうれしそうな表情。
隣で、お互いの正解を喜ぶ杉本さんに向かって、「彩さんなんて、“お肉が身体にいい食べ物”ってことの証明のような存在じゃない? 僕は何年も前から彩さんのこと知ってるけど、全然老化してないんだもん」とその美貌を絶賛する一幕もみられた。
最後に、杉本さんからは「ペットは食べ物を自分で選べないので、安全安心でおいしい食べ物を選ぶことは飼い主さんの使命だということを忘れないで。もちろん、適度な運動も必要なので、わんちゃんの場合は一緒にお散歩を楽しんで、猫ちゃんの場合は上下運動を楽しめるよう、キャットタワーを設置するといいですよ」とメッセージ。
寺門さんは、「うちのわんちゃんは親犬の方は今年で13歳だけど、これからも永く一緒に過ごせるよう、体調の変化も見過ごさないで、病気の予防にも努めていきたい。日本全国のオーナーさんにも、ペットと過ごす日々を大切にしてほしいですね」と語った。