iPhone 6とiPhone 6 Plusのこれまでのデバイスとの最大の違いは、ディスプレイサイズが拡大し、解像度が上がったことだ。Appleはこれまで、iPhone 5・iPhone 5s・iPhone 5cで、1136×640ピクセル、密度326ppiのRetinaディスプレイを搭載してきた。Appleはこれを「Retina HDディスプレイ」に改めた。
これらのディスプレイについて、ハンズオンでの実機体験を含め、解説しよう。
Androidのスタンダードに追いついた、iPhone 6のディスプレイ
4.7インチのiPhone 6には1334×750ピクセル、326ppiのディスプレイが搭載された。密度はiPhone 5sの4インチディスプレイと変わっておらず、同じ精細さで画面領域が広がった形になる。Appleのワールドワイドプロダクト担当上級副社長、フィル・シラー氏はプレゼンテーションで、38%ピクセル数が増えた、と紹介した。
4インチのiPhoneは、テレビでHDパネルとして使われる1280×720ピクセル(720p)を下回っていたが、今回iPhone 6はこの解像度を上回ったため、Retina「HD」ディスプレイという名称を使い始めるにふさわしいということになったのだろう。
ちなみに、2013年に登場したMotorola Mobilityの廉価版のスマートフォンMoto G(SIMフリー、8GBで179ドル)は、4.5インチで1280×720ピクセルのディスプレイを搭載していた。Androidスマートフォンでは、廉価版であっても720pがスタンダードになる中で、iPhone 6は、ディスプレイのサイズと解像度の面で、きちんとキャッチアップすることができた。
他方の5.5インチiPhone 6 Plusは、解像度だけでなくピクセルの細かさも向上した。iPhone 6 Plusでは、いわゆるフルHDといわれている1920×1080ピクセルの解像度を実現した。前述の通り、こちらの解像度についても、Androidスマートフォンのハイエンドモデルでは既に実現していた仕様で、大きな驚きはない。ただ、iPhone 6が既存のピクセルの細かさ326ppiを踏襲したのに対し、iPhone 6 Plusは401ppiとさらに高精細のディスプレイとなった。