富士フイルムは9月10日、コンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM X100T」を発表した。世界初の電子式レンジファインダーを含む「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載した。発売は11月の予定で、価格はオープン。推定市場価格は145,000円前後。
「X100T」は、2011年2月発表の「X100」、2013年1月発表の「X100S」の後を継ぐ、同社「プレミアムコンパクトデジタルカメラ」の最新モデルだ。X100シリーズは、OVF(光学ファインダー)とEVF(電子ビューファインダー)を切り替えて使用できることを特徴としてきた。今回の新製品X100Sでは、それをさらに進化させた「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載した。
OVFでは、世界初となる電子式レンジファインダー機能を搭載。ピントエリアをデジタル拡大表示できるようにしたほか、視差を極力低減するリアルタイムパララックス補正を実現した。EVFでは表示タイムラグを従来比1/5に低減したほか、表示画面の明るさを撮影環境に応じて自動調整する機能を加えた。
イメージセンサーと画像処理エンジン、レンズはX100Sと同じものを継承。APS-Cサイズで有効画素数1,630万画素のX-Trans CMOS II センサー、EXRプロセッサーII、23mm単焦点で絞り開放値F2のフジノンレンズを搭載する。
X100Tでは新たに、ISO51200の最高感度に対応したほか、最高1/32,000秒の電子シャッター機能を追加。レンズ部の絞りリングのみで1/3段ずつの絞り変更が、天面のダイヤルで3段分の露出補正が可能となった。任意の機能を割り当てられる7つのファンクションボタンも用意した。
背面の液晶モニターは、X100Sの2.8型・46万画素から3型・104万画素に大画面・高精細化した。また、Wi-Fi機能を内蔵し、スマートフォンなどからのリモート操作が可能となった。フイルムシミュレーションモードでは、8月にリリースされたクラシッククロームも利用できる。
そのほか主な仕様は、35mmフィルム換算時の焦点距離が35mm。対応感度が常用でISO200~ISO6400、拡張でISO100/ISO12800/ISO25600/ISO51200が利用可能。シャッタースピードは、メカニカルシャッターが30~1/32,000秒、電子シャッターが1~1/32,000となっている。最短撮影距離は標準で約50cm、マクロモードで約10cm。OVFはファインダー倍率が約0.5倍、視野率が約92%。EVFは0.48型で236万画素、ファインダー倍率が約0.65倍、視野率が約100%となっている。
SD/SDHC/SDXCカード(UHS-I対応)のほか55MBの内蔵メモリにも撮影データを記録できる。動画はMOV(H.264)形式、最大1,920×1,080ドット(フルHD)の撮影が可能だ。バッテリーはリチウムイオン充電池「NP-95」で、CIPA準拠の撮影枚数は約470枚。本体サイズはW126.5×D52.4×H74.4mm、重量は本体のみで約400g、バッテリーとSDカードを装着した状態で約440gとなっている。本体カラーはシルバーとブラックの2種類を用意する。