ウェブルートは9日、PCゲーマー向けのセキュリティソフトウェア「Webroot SecureAnywhere アンチウイルス for ゲーマー」を発表した。クラウドベースにより低いCPU使用率で駆動し、PCゲームプレイ時でもゲームへの影響が少ないとする。
ラインナップと税込価格は、1年版が1,980円、2年版が3,960円、3年版が5,940円。PCショップにて、カード形態の製品を9月12日より販売開始する。なお、SANKOが運営する「e-sports SQUARE」オンラインショップでは、9日よりダウンロード(DL)版を先行販売する。対応OSはWindows XP(2019年4月までサポート) / Vista / 7 / 8 / 8.1。
CPU負荷の少ない軽快な動作が特徴
「Webroot SecureAnywhere アンチウイルス for ゲーマー」は、最新の定義ファイルをクラウドに備え、最小システム要件が10MBのHDD領域、128MB以上のRAMとPCに負担をかけず、軽快に動作することが特徴。定義ファイルを最新の状態に保持しつつ、PCゲームプレイ時でもパフォーマンスを犠牲にせずセキュリティを保持できるとする。ウイルスやスパイウェアの脅威を防ぐほか、Webフィルタリング機能、銀行サイトなどで個人情報を保護するIDシールド機能、フィッシングサイト検出機能などを有する。
ウェブルートは既存製製品として「SecureAnywhere アンチウイルス」「SecureAnywhere インターネット セキュリティ プラス」「SecureAnywhere インターネット セキュリティ コンプリート」の3種類のセキュリティソフト製品を販売中。
今回ラインナップに追加された新製品「Webroot SecureAnywhere アンチウイルス for ゲーマー」は、上記のうち「SecureAnywhere アンチウイルス」をベースに、新たにPCの不要ファイルの削除やレジストリ修復を自動で行うシステム最適化ツール機能が追加されている。
ターゲットは「ライト、ヘビーに関わらずPCゲームをする層」
東京・秋葉原にあるe-sports専門店「e-sports SQUARE」で行われた製品発表会では、ウェブルート代表取締役の伊藤誉三氏ら関係者が登壇。
伊藤誉三氏は、悪意のあるフィッシングサイトやマルウェアは月単位、分単位で現れテイクダウンしていくため、従来のように定義ファイルをユーザーに配布するセキュリティモデルには限界があったと説明。「例えば2013年では1日に25万のファイルを更新する必要があり、これをユーザーのPCに負担させるのは無理がある」とした。
想定するユーザー層は「ライト、ヘビーに関わらずPCゲームをする層」。PCパフォーマンスを気にするヘビーユーザーが主要ターゲット層ではあるが、シンプルなインタフェースを採用し、直感的に設定・操作できるため、ライトユーザーにも適するという。
3人に1人が「セキュリティトラブルあり」、PCゲーマーの2大ニーズを押さえて開発
同じく製品発表会で登壇した吉田一貫シニアマーケティングマネージャーは、新製品の開発背景を紹介した。
PCゲーマーのセキュリティ環境に関し、同社が約530名のPCゲーマーを対象に行ったオンライン調査では、PCゲームをプレイする上で3人に1人が「セキュリティトラブルがあった」という結果になった。具体的にはシステムの遅延や不安定さ、個人情報の漏えい、アカウント乗っ取り、ブラウザの挙動不審、データやファイルの消失といった問題が挙げられたという。
このため、90%以上のPCゲーマーがセキュリティソフトウェアをPCにインストールしながらも、「動作が重くなる」「起動が遅い」「更新メッセージなどがわずらわしい」「ゲームが誤動作する」などの問題を抱えており、ゲーマーはPCのセキュリティを取るかパフォーマンスを取るかという状態にあるという結果が浮き彫りになった。
同社は上記の問題点を踏まえ、「セキュリティ能力の高さ」「PCシステムへの影響が低い」という2点をPCゲーマーの重要なニーズと判断し、最大限のパフォーマンスと高いセキュリティ性能を持つ製品を開発したと話した。
なお、今回の新製品が"PCゲーマー向け"として販売されたのは、PCゲーム市場への参入を検討していたウェブルートと、e-sportsの拡大に力を入れていたSANKOの方向性が一致したという側面がある。現状のDL販売はSANKOの「e-sports SQUARE」オンラインショップのみとなるが、DL販売先は今後拡大する予定という。