説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Apple発表会の「One more thing」って深い意味があるの?』という質問に答えます。
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「One more thing」を直訳すると「もうひとつ」程度の意味合いですが、AppleのCEOが発表会で発する「One more thing」は少々ニュアンスが異なります。意訳すれば「実はまだあるんだ……」であり、これから未発表の製品を紹介するときに発する、サプライズの導入役を果たす"お約束"です。
このフレーズは、前CEOのSteve Jobs氏が好んで使用していました。WWDCの基調講演や製品発表会のとき、Jobs氏によるプレゼンが終盤に差し掛かったとき、思い出したかのように「One more thing...」と始まるのです。会場が一瞬どよめいたあとスクリーンには想定外の新製品が映し出され、大きな歓声があがるという流れがおきまりのパターンとなっていました。
「One more thing」で発表された新製品は多数あります。基本的にはMacなどハードウェアが中心ですが、2007年の音楽イベントで発表された「iTunes Store(発表当時「iTunes Wi-Fi Music Store」)」のようにオンラインサービスも含まれます。iPhone関連製品(ハードウェア)の発表で使われたことはないものの、使われて不自然なことはありません。9月9日に開催が予定されているイベントでも、「One more thing」に続いて新製品が紹介される可能性はゼロではないでしょう。
要するに、この「One more thing」というフレーズは、より多くの新製品を望むAppleファンの気持ちを代弁した言葉だといえます。Steve Jobs氏だからこそ歓迎された部分は否定できませんが、彼がこの世を去ってからもうすぐ3年、そろそろ名フレーズが復活していい時期かもしれません。