日本料理と日本酒以外の食べ合わせも

中国では大都市を中心に日本食ブームで、日本人が経営する本格日本料理からラーメンや牛丼など日本資本の飲食チェーン、さらに中国の若者がカフェ感覚で始める居酒屋まで、あらゆる日本料理店がオープンしている。そんな中で、注目を集めているのが日本酒である。

40度以上の「白酒」よりも気軽に楽しめる

中国では宴席など正式な食事の際に飲む酒と言えば、アルコール度数40度以上という強烈な「白酒」が一般的。しかし、近年は若者を中心にアルコール度数が低く、おしゃれなイメージのワインが好まれており、南の方を中心に、宴席にもワインが用いられることがどんどん増えている。

そして、このワインの流行の流れをくみ、アルコール度数がワイン同様13度ほどと飲みやすく、ワイン同様に産地などの違いで味が変わる"うんちく"を語れる日本酒が、ワイン同様注目を集めているのだ。中国版ツイッターの「ウェイボー」では、多くの中国人ネットユーザーが日本酒への思いをツイートしている。

ピザや韓国焼肉と日本酒という場面も

「日本料理屋さんで初めて日本酒を飲んだ。米のお酒にレモンを入れたようなフレッシュな味」「日本酒はいくら飲んでも酔わない感じ。でも、後でどっと醉いがきた」などなど、初めて試す日本酒に新鮮な驚きをツイート。多くの中国人ネットユーザーは、日本料理店で日本料理とともに日本酒を飲んでいる一方で、日本料理以外の料理と日本酒のマッチングを楽しむ中国ネットユーザーもいるようだ。

「イタリアンシーフードピザと韓国焼肉と日本酒の組み合わせが最高!」「トリュフと日本酒が合う」など、中国の美食家ネットユーザーたちが独自の組み合わせを披露。中には、中国の月見である「中秋節」に食べる月餅に日本酒を合わせて、「月餅と日本酒のマッチングがオススメ」と紹介するグルメなユーザーもいる。

日本酒で"クコ酒"という手も

さらに、自宅に日本酒を買い込み、さまざまな試みを試す上級者も出現。ウェイボーでも、「漢方薬のクコの実と桑の実、氷砂糖と日本酒をビンに入れ、2カ月でおいしい"クコ酒"ができます」と、日本酒の独自アレンジを家庭で楽しむ人も出てきている。

日本酒はもともと、中国の米酒が日本に伝わりできたものと言われる。こうした背景もあり、日本酒の味と風味は中国人にも受け入れられやすいもののようだ。ウェイボーでも、「オバマが日本の寿司屋さんで飲んだ日本酒を飲んだ」など、銘柄へのこだわりをツイートする人も多く、今後も日本酒への注目はますます高まりそうだ。

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