財務省は8日、2014年7月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は4,167億円の黒字となった。黒字は2カ月ぶり。ただし、黒字幅は前年同月比では1,837億円(30.6%)縮小した。
「貿易・サービス収支」が赤字幅を拡大したものの、「第1次所得収支」が黒字幅を拡大したため、2カ月ぶりの黒字となった。
貿易・サービス収支は1兆2,871億円の赤字で、赤字幅は前年同月に比べて1,612億円拡大した。赤字は28カ月連続。
貿易収支は8,281億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で379億円増加し、7月としては過去最大となった。自動車や金属加工機械を中心に輸出が増加したのに対し、原粗油や液化天然ガスを中心とした輸入の増加が上回り、赤字幅が拡大した。
輸出額は前年同月比4,637億円(8.0%)増の6兆2,474億円で、17カ月連続の増加。輸入額は同5,016億円(7.6%)増の7兆755億円で、2カ月連続で増加した。
また、同省関税局がまとめた2014年7月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比2,335億円(3.9%)増の6兆1,920億円。主要地域別では、対アジアNIEsが同698億円(5.5%)増、対EUが同599億円(10.2%)増など。商品別では、自動車が同742億円(8.1%)増、金属加工機械が同330億円(35.6%)増、科学光学機器が同183億円(9.9%)増などとなった。
輸入額は前年同月比1,632億円(2.3%)増の7兆1,542億円。主要地域別では、対中東が同1,204億円(9.6%)増、対大洋州が同430億円(8.7%)増など。商品別では、原粗油が同757億円(6.9%)増(数量は同2.7%減)、液化天然ガスが同460億円(7.4%)増、石油製品が同448億円(23.3%)増などとなった。
サービス収支は4,590億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1,234億円拡大した。「旅行収支」は訪日外国人旅行者数が同26.6%増の126万9,700人と大幅に増え、3カ月ぶりの黒字となった一方、「その他サービス収支」は赤字幅が増加したことなどにより、赤字幅が拡大した。
第1次所得収支は1兆8,531億円の黒字で、黒字幅は前年同月比で503億円(2.8%)拡大し、7月としては過去最大となった。証券投資に係る配当金の受取減少などにより証券投資収益が減少したものの、直接投資に係る配当金・配分済支店収益の受取増加などにより直接投資収益が増加したため、黒字幅が拡大した。