恋愛にまつわる問題といえば、やはり"浮気"でしょうか。一般的に浮気とは、婚姻関係のある男女のどちらかが、他の異性と性的な関係をもつことと定義されるということは、これまでも紹介してきました。

とはいえ、恋人関係であったとしてもパートナーが他の異性に気があるような言動をすると、浮気だと感じてしまうのが現実です。いずれにしても浮気というのは、恋愛の排他性を無視して、パートナーに対する独占的で専有的な状態でなくする行動。当然、パートナーに対しては浮気という事実を、嘘をついてでも隠します。

ということは、浮気がばれない方法というのは、嘘がばれないということだともいえるかもしれません(ちなみに嘘とは、学術的には意図的にだます陳述をさし、たんなる不正確な陳述とは異なる」 とされています)。

嘘をつきやすい人とは

一般的に、嘘をつくには2つの方法があるといわれています。1つは、本当の情報を与えないで隠す方法。もう1つは、虚偽の情報をまるで本当のように示す方法です。じつは、心理学の研究でどういう人が嘘をつきやすいかがあきらかにされています。

それによると、嘘をつきやすい人というのは、他人を基本的に信頼していない人だとされています。つまり、常に他人に対してだまされるかもしれないと警戒することで、嘘をついてしまうというのです。また、自分をよくみせようとする人ほど、嘘をつきやすいとされています。面白いことに、男女別にみれば、男性の方が女性よりも嘘をつきやすいとされています。

反対に、だまされやすいひとというのは、どんなひとなのでしょうか。研究によれば、物事を筋道をつけて考えない、いわゆる論理的ではないタイプがだまされやすいとされています。

嘘をついている人の特徴

では、そんな嘘をどうやって見破るのでしょうか。よく、目の動きに注目すると見破れるという話を耳にします。ですが、心理学の研究では、必ずしも顔の外見的な変化で嘘を見破るのは難しいとされています。

ですが、いくつかの研究結果を概観してみると、嘘をつくときはうなずきやジェスチャーは少なく、相手に対して身体の傾きが少なく、アイコンタクトが少ない、発話回数が少なく、ゆっくりと話し、話を間違えることが多く、よく笑うという特徴がみられるといいます。

つまりは、浮気を追求したときに、このような特徴がみられたのなら、その説明は事実ではなく、嘘の可能性が高いかもしれません。

こんな話をすると、浮気がばれない方法を解説していると思われるかもしれません。ですが、嘘はやはり嘘。絶対にばれないわけがありません。そして、嘘がばれたとき、必ず相手だけではなく、嘘を浮いて本人も傷つきます。できることなら、浮気も嘘もやめてほしいと思うのです。

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著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。