経済ジャーナリストの酒井富士子さん。

秋は出費がかさむ時期ですから、お買いものに使うクレジットカードや各種ポイントカードを上手に活用したいですよね。でもただ漫然と暮らしていては、案外見過ごしがちになってしまいます。すこし工夫するだけで、あなたの支払いの1~2%はポイントが還ってくるかもしれませんよ?日頃から、ポイント集めに余念がないという経済ジャーナリストの酒井富士子さんに、ポイント使いの極意をうかがいました。

ポイント付与率1%のnanacoをネット通販も含めて利用

――酒井さんが、日々、利用しているポイントは何ですか

「実は、実店舗もネット通販もセブン‐イレブン中心に使っています。最近で一番凝っているのは、書籍の購入です。セブン-ネットで書籍を購入して、近所のセブン-イレブンで受け取ると、nanacoポイントはもちろん貯まりますし、コーヒーチケットが1冊に1枚もらえます(8月いっぱいだったものが、9月末までキャンペーン延長)。セブン‐イレブンのアイスコーヒーが大好きなので、それに釣られているところもあります。ただ、書籍は注文した翌々日の朝には店舗に届きますので、アマゾンで不在票が入っていて、結局受け取るのが遅くなることを思うと、早さはあまり変わらない感じです」。

――コンビニには毎日行くのですか?

「実店舗に毎日行くわけではありませんが、ネット通販のセブン‐ネットでも定期的に購入しています。ビールやシャンプーなど定期的に必要なものをまとめ買いしているので、送料無料だし、ここでも結構nanacoポイントが貯まっています。セブン-ネット内のポイント2倍キャンペーン商品などもお得です。

実店舗に行ったときは、やはりnanacoポイントの付与率がアップするキャンペーン商品を中心に購入するようにしています。8月中だったら、ソフトドリンクがnanacoポイント5倍キャンペーン中でしたので、息子のリクエストなどに応じて購入していました。こうした情報はメルマガでGETしています」。

――裏ワザなどはないのですか?

「裏ワザではありませんが、セブン-ネット内にイトーヨーカードーのネットスーパーがあるのですが、そこでの買い物は、クレジット決済の場合、セブンカード利用でないとnanacoポイントが貯まりません。扇風機を安く売っており、どうしても買いたかったのでセブンカード・プラスをつくってしまいました。セブンカード・プラスは、nanacoカード機能も合わせもっており、通常100円につき、1ポイントですが、200円につき、3ポイント貯まります」

ビューカードのビックカメラ Suicaカードははずせない

――読者のみなさんにオススメしたいポイントはありますか?

「やはりビューカードの『ビックカメラSuicaカード』ははずせないのではないでしょうか?クレジットカードと電子マネー『Suica』を1枚にしたカードで、クレジット払いでスイカにチャージ(入金)すると、1.5%のポイントが付きます。通常、ポイントの付与率は200円=1ポイント、0.5%が標準です。nanacoポイントは100円=1ポイントで付与率1%とまあ高いほうなのですが、ビックカメラSuicaの1.5%は断トツです。ビューカードのポイントはサンクスビューポイントという名称ですが、400ポイント=Suicaチャージ1000円相当に交換できます。1ポイント=1円の通常のポイントとは数え方も少し違っています」

――ビックカメラで利用する際のメリットは何ですか?

「ビックカメラでは現金払いでのビッグポイント付与とクレジットカード払いでのビッグポイント付与では付与率が違います。ところが、このカードだけは現金と同等のポイントがつく点が最大のメリットです。また、ビックカメラでは、Suica払いが可能ですから、ビューカードの上限金額2万円相当まではSuicaで購入するのが結果的にビューサンクスポイント1.5%付与率をGETできるのでお得ということになります。ちなみに、サンクスビューポイント400ポイントをビックポイント1000ポイントに交換することもできます」

――交通系カードとしては、どのようにメリットがあるのですか?

「ビックカメラSuicaは、家電量販店の提携カードでありながら、交通系カードでもあります。Suica機能一体型で、オートチャージに設定しておけば、いちいちチャージする手間が省けるほか、1000円につき2ポイントのところ、3倍の6ポイント(15円相当)がつきます。これが利用していて一番メリットを感じます。貯まったポイントをSuicaに交換して、実質グルグル使いまわしています。

また、私は新幹線などのJRの予約には『えきねっと』を利用しています。えきねっとはJR東日本の新幹線・特急の割引きっぷ「トクだ値」が購入できるので、もともと、チケットが割引で購入できるのです。さらに、指定席をお申込みでチケット払いをビューカードにすると、えきねっとポイントとビューサンクスポイントがダブルで貯まります。JR券をビューカード支払いで購入すると、ビューサンクスポイントが1000円で6ポイント(15円相当)貯まり、還元率も1.5%とジャンプアップする点も、もちろんお得なポイントです」

Tポイントは、タクシーやホテルなど 様々なシーンでちょい貯め

――いろいろな店舗で使える共通カードも最近は人気ですが、何かご利用ですか?

「やはりTポイントは、いろいろな店で提示して集めています。ファミリーマートは、会社の近所にあり、よく利用します。原則200円で1ポイントですが、やはりメルマガをとっているので、キャンペーン商品に目をつけてポイントを貯めるようにしたりしています。コーヒーショップのドトールでも、Tポイントカードを提示していますが、こちらは100円につき1ポントで、付与率1%。同じTポイント取扱店でも、店によって付与率が違うんですね。同じ飲食店でも、ファミレスのジョナサンは200円で1ポイントです」

――Tポイントは、共通カードだから使用範囲が幅広いな、と感じたことはありますか?

「あります、あります。タクシーに乗って、Tポイントをもらったことがあります。東京無線ですね。息子がコンタクトのアイシティを利用していますが、ここも100円につき1ポイントと付与率が高いです。実は東急電鉄の株式を持っており、株主優待で東急ホテルズの割引券をもらっています。たまに利用しますが、ここでも、提示すると100円で1ポント貯まります。割引で泊まるとはいえ、そこそこの金額なので、結構うれしいです。ホテルといえば、エクスペディアという旅行予約サイトでも、Tポイントを扱っているのには、びっくりしました。予約完了ページにTカード番号を入力すると、ポイントがつきます」。

――様々なポイントを使いこなしてらっしゃいますが、上手な使いこなしのアドバイスはありますか?

「やはり、集中して集めることが大事です。ただし、絶対に1本に絞れとは言いません。私自身も東急沿線に住んでいるので、メインカードはTOPカードで東急ポイントを貯めています。ただ、電子マネーのnanacoやWAONはそれぞれ、利用に応じてお得に貯めています。それぞれのクレジットカードも保有していますしね。あとは、ビューカードのように、専用使いしてお得なものは、うまく利用しますしね。

大事なのは、店やネットなどお金を支払うシーンで、今ここでは、どのポイントを貯めるんだっけと、迷わず自分が行動できるかですね。それさえ、できていれば、自分の中の“ポイントルール”が確立しているということですから、十分です。あとは、貯めた以上はお得に使う。給料前の金欠の足しにする、というルールもよし。年に1度、このポイントで●●をする、というお楽しみでもよし。節約一辺倒だと疲れちゃいますからね」

――いろいろと貴重で身近な話しをありがとうございました。