職場の人、全員と仲良くなりたい!
筆者が会社に入ってから持っている切実なる願いです。クリスマスにはサンタさんにもお願いしました。
クセのある上司や先輩はとりあえず怒っている
もともと人見知り系コミュ障だった僕は、見知らぬ土地「東京」に就職しました。つまり知り合いが近隣に1人もいない状況から会社員生活をスタートさせ、会社の人と仲良くやっていかなければ、コミュ障が悪化して人間自体が怖くなってしまうことは自明でした。
しかし、人間という魔物の攻略はかくも難しいものか。
人間関係を御することはなまなかならぬ技術を要します。「人間関係道」、極めるには60年の会社員人生だけでは足りないかもしれません。今なお修行中の身ですが、同じような辛苦を抱える若人たちに伝えられることはいくつかあります。
会社にはいろんな種類の人たちがいて、その多様性はさながら縮小版「人種のるつぼ」。そうなると、やはり1人は「クセのある上司や先輩」がいます。
彼らは種類にもよりますが、似た傾向を持ちます。
・よくわからないところでキレる
・ていうか普段からどことなくキレている
・無限大の不満を抱えている
・気に障ると攻撃してくる
いかに怒りという感情のコントロールが会社で必要かよく分かります。
さて、いったん目をつけられると直接的にも間接的にも、さながらトリックスターのごとく変幻自在に精神攻撃まで仕掛けてくるのがクセのある上司や先輩です。ここまでなら速攻でその人の辞表を代筆してあげたくなるところですが、他にも特徴があります。
・経験値が半端じゃない
たいてい年次が高いです。ていうか年次が低いのにそんなことしたらたちまち血祭りにあげられています。年次の高さは経験値の豊富さに直結し、仮にそのお知恵や技術を拝借できれば非常に価値のあることです。
・本人が味方と思っている人が職場に少ない
味方がたくさんいて安心感があるなら、人は攻撃的になったりしません。余裕のなさが言動にトゲを添えるわけです。攻略のカギはこのあたりにありそうです。
攻略のキーワード
(1)投資
(2)頬ずり性
(1)「投資」と思わなければやってられない
そもそも論、「自分のためにやるのだ」という認識を持ちましょう。そうでなければやっていられません。思わずデスクでのお菓子消費量が飛躍的にあがり、比例してBMI値も高まるでしょう。
整理しておきます。
・メリット「経験値の提供と特別待遇」
上記したように、気に入られれば、コンクリートジャングルを長期間一人でサバイブしてきた技術や経験で助けてくれます。また他人にはブチぎれる場面でも笑って許してくれる可能性が高くなります。本人からしても数少ない仲間になるわけですから、そうそうずさんな対応はしてきません。
・自尊心が高すぎるだけで意外と扱いは難しくない
味方につけるための障壁は意外と低いです。彼らは職場の人との親密な関わりを持ちませんが、実際に「他人から関わられたくない」と本気で思う人がどれほどいるでしょうか。
たいてい自尊心が高いために自分から慣れ親しめず、ここまできてしまっただけです。
アナタがとるべき具体的な行動が(2)です。
(2)「頬ずり性」でかわいがってもらおう
気持ち的には頬と頬が触れ合うくらい、積極的にガンガン関わることが最も簡単な方法です。人にあまり話しかけられないので、関わってくる人間は相対的にかわいく見えます。 そのときのポイントです。
・とにかく話しかけること
普段から何かと話をふってあげてください。その人が詳しそうなことを積極的に取り上げるといいでしょう(わからなければ何に興味があるのか聞けばいいです)。
・ムカついても許してあげる
嫌みなことを言われて拳で会話しそうになっても、少し時間を空けたら、何事もなかったかのようにすり寄り直すことが重要です。そこで避けるとあちらも「許してあげる」タイミングを見失うことになります。
・愚痴をバキューム
無限大の不満という闇を抱えているのが彼らの常ですから、いくらでも話はでてきます。そのときは「○○さんがいなかったら、この仕事はまわらないです」と褒めることから「休めてますか?」などと広げてバキュームしていきましょう。
・お誘い&慕っているアピール
お誘い自体を受ける経験が多くないので、ランチなどに誘うだけで効果があります(素直に承諾しない可能性がありますが120%喜んでいます)。
また、お土産などをあげる際には、日常会話で引き出した好みを覚えておいて、それを反映させると「慕われている」と思わせられます。
最後に
また、仕事では面倒くさいことを買ってでて、手伝うことも非常に有効です。
その他、自尊心が特に高そうな人には、自分を卑下しておくことも効果が高いです。女性と女性ならば「自分の彼氏は歯に詰まった鶏肉を取るのが楽しくてたまらない男」くらいに言っておけば、喜ばれるはずです(調整は各自で行ってください)。 相手が何を喜ぶタイプかを見極めて、対応してきましょう。
ほとんどの人が人との関わりを避けて仕事はできません。
コミュ障の寵児と呼ばれる僕自身、人と関わりまくる仕事をしています。はっきり言って最初は相当につらかったです。
しかし、僕はいま楽しめています。自分のために人に尽くすと思えば、意外とつらくないものです。
※画像は本文とは関係ありません
武野光
平成2年生まれ。「TOEIC未受験」「サークル未所属」「友達の数が片手未満」といった状況から就職活動に挑み、その体験から得た教訓をつづったブログ『無能の就活。』が大きな反響に。現在はサラリーマンと兼業で作家活動を行う。著書に『凡人内定戦略』『凡人面接戦略』(中経出版)、『就活あるある ~内定する人しない人~』(主婦と生活社)など。マイナビ2016でも、マンガ『キミ! さいよー』(石原まこちん/小学館)内で、一言コラム平成ベビーの就活用語辞典掲載