Samusng Electronicsは、ドイツ・ベルリンで開催される世界最大級の家電関連見本市「IFA 2014」開幕前日となる4日(現地時間)、プレスカンファレンスを開催。曲面ディスプレイを搭載した4Kテレビ群、さらには105型の変形型曲面4Kテレビも公開した。曲面とフラットに変形し、世界初・最大の変形テレビだという。
カーブ(曲面)の力へようこそ
現在、Samsungが欧州で発売している4Kテレビのうち、約半数は曲面になっており、ユーザーの視聴環境は急速に曲面に移行しているという。同社はこれまでも、フラットテレビ、スマートテレビ、4Kテレビを投入してユーザーの視聴体験を変えてきたが、曲面のテレビは「ユーザーのテレビ体験を根本的に変えるもの」とSamsungのシニアディレクターMicheal Zoller氏は強調する。「カーブ(曲面)の力へようこそ」とZoller氏。
Samusngの曲面テレビは、International CES 2014以降、順次投入されており、48型から78型まで16種類を用意。そして今回発表されたのが、17番目のラインナップである105型の「S9W」だ。
写真画質を追求し、高コントラスト、低反射で写真のクリアな表示を可能にしたという。1,100万画素(5,120×2,160ドット)という21:9のアスペクト比で、曲率も高めたことで没入感がさらに向上したという。ハードウェアとしてはクアッドコアを搭載してパフォーマンスも追求されているようだ。
Bluetooth接続の8.1chサラウンドスピーカー「Curved Soundbar HW-H7500/7501」も用意。ディスプレイとサウンドで最高のシネマ体験を提供する、とアピールする。
現状では、まだ4Kコンテンツが限られているが、さまざまな企業と連携することでこれを拡大する。AmazonやNetflix、20世紀フォックスらの、ストリーミングやセキュアなダウンロードによる4Kコンテンツが視聴できる環境を整備。これらのサービスに対応することで、15カ国4億3,000万人が4Kコンテンツを視聴できるようになるという。
ゲストで登壇した20世紀フォックス ホームエンターテインメント社長のMike Dunn氏は、ユーザーの要望は「ハイクオリティなプレミアムコンテンツ」と指摘。Samsungの4Kテレビが、家庭でベストクオリティで映画を視聴できるとアピールした。
Samsungは、500GBのドライブを備えた「Samsung UHD Video Pack」を開発。SCSAに対応し、映像配信のコンテンツをセキュアに保存できる。
さらにZoller氏はオーディオ製品として、1つの音楽ソースで複数の部屋のスピーカーから音をワイヤレスに流せる「ワイヤレスオーディオ・マルチルームシステム」製品を紹介。「M7」「M5」「M3」で、スマートテレビの音を各部屋で聞いたり、Bluetooth、Wi-Fiを経由してスマートフォンの楽曲を流す、といったことも可能。
この製品に関連して、ゲストとしてSpotifyのGlobal Business DevelopmentのJorge Espinel氏が登壇。人々は音楽を生活に欠かせないものと考えており、音楽を聴く場所は、42%が自宅だったそうだ。今回、SamsungとSpotifyの協業によって、Spotify経由で再生された楽曲を複数のスピーカーから聴くことができるようになる。
「世界初、世界最大の105型変形型テレビ」
最後に、Zoller氏が「One More Thing」として紹介したのが、「世界初、世界最大の105型変形型テレビ」だ。105型、21:9の4Kテレビだが、フラットテレビモードと曲面テレビモードを物理的に切り替えることができる。コンテンツによって、フラットで見たいとき、映画のように曲面の方がいい場合と、使い分けができるようになる、としている。
Zoller氏は、「曲面テレビは、新しい映画館」とアピール。そのメリットを強調して講演を終えた。