警察庁は4日、平成26年上半期における、インターネットバンキングに関する不正送金事犯の発生状況を公開した。
平成26年上半期の発生状況は1,254件で、 被害金額は約18億5,200万円。平成25年の下半期の1,098件、約11億9,300万円と比べ、発生件数で156件、金額で6億5,900円増加した。
特徴として、被害は個人から地方銀行や信用金庫・信用組合まで拡大したほか、法人名義の講座の被害も増えた。被害金融機関は、都市銀行、地方銀行など73金融機関。
平成25下半期の個人口座の被害状況は約11億1,800万円で全体の93.7%。一方法人口座は約7,500万円で全体のわずか6.3%だった。平成26年上半期では個人口座は12億8,000万円だったが、法人口座は約5億7,200万円で全体の30.9%に拡大した。
ほか、全体としてウイルスの悪質・巧妙化が進んだほか、国外への不正送金は平成25年下半期の21.7%と比べ17.7ポイント減少した7%となった。不正送金先の口座名義人の内訳は69.5%が中国人で最も多く、26%が日本人、その他が2.7%、法人が1.8%となっている。
不正送金の対策としては、国際的なボットネットのテイクダウン作戦への参加を行う。例えば、米国連邦捜査局(FBI)及び欧州刑事警察機構(Europol)が中心となるウイルスのネットワーク崩壊作戦に参加するほか、国内IPSなどを通じ約15万5,000件の感染端末利用者に対し注意喚起を推進する。
また、取締りの徹底や、金融機関関係団体、ウイルス対策事業者など関係事業者と連携し、セキュリティ対策の推進や被害防止の取り組み強化を行う。