横浜市は9月5日、東京都・代々木公園でデング熱に感染したと思われる同市在住者が、同市内にある「海の公園」にて蚊に刺されていたことが発覚したことに伴い、同公園の一部を閉鎖することを明らかにした。
デング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。感染すると発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などの症状が出る。主な感染経路は、ウイルスに感染した蚊。蚊がウイルスに感染した人の血を吸い、体内で増殖させた後に別の人間を吸血することで、デングウイルスが感染する。ヒトからヒトに直接感染することはなく、感染しても発症しないケースも多いとされている。1週間程度で症状は回復するが、ごくまれに感染者が死亡するケースもあるといわれている。
これまでに代々木公園にてデングウイルスを保有していた蚊が見つかっており、同公園の一部が閉鎖された。また、代々木公園から離れた新宿中央公園での感染が疑われる感染者も見つかっている。
横浜市の健康福祉局は、「この方(同市在住者)を刺した蚊が、デング熱を感染させる力を保有するかが不明」なため、同日から海の公園の蚊のモニタリング調査を実施することを発表。この調査に伴って、海の公園の一部を閉鎖するとのこと。
閉鎖するのは、横浜市金沢区の海の公園内の「犬の遊び場」2カ所(金沢シーサイドライン架線下「海の公園南口駅」の両側1カ所ずつ)。閉鎖は9月5日より行っているが、「8月31日以降本日までに閉鎖場所周辺において蚊に刺されたとしても、感染の可能性はありません」(健康福祉局)としている。
さらに同局は、国内で海外渡航歴のないデング熱の患者が複数発生しているものの、「いずれも都立代々木公園周辺の蚊による感染と推定され、横浜市内で蚊に刺されたことによる感染は確認されていません」などと、過剰に不安にならないよう、市民へ注意を呼びかけている。
なお、今回の閉鎖場所やモニタリング調査の詳細は横浜市のホームページで確認できる。
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