ローランド ディー.ジー.は3日、同社初の光造形式の3Dプリンタ「ARM-10」、および新開発となる3次元切削加工機「SRM-20」の2機種を発表した。大塚商会などの販売代理店経由で、同日より販売開始する。価格は「ARM-10」が680,000円、「SRM-20」が480,000円(いずれも税別)。
「ARM-10」および「SRM-20」は、同社が立ち上げた、"ものづくり"に関連するデジタル製品の新シリーズ「monoFab」の第1弾。アイデアをすぐ形にできる「Desktop Fabrication(机上でのものづくり)」というコンセプトのもとに開発され、同社が四半世紀にわたり培ってきた3次元切削加工機と、同社初の3次元積層造形機の利点を組み合わせることで、より革新的なものづくりが実現できるという。
同社は、「机上に置けるデスクトップサイズで切削と積層の2種類の機材を揃えるメーカーは他にない」として、医療や建築、教育、ホビー分野などへの展開を想定。各機種で、国内・海外の展開を含め、今後1年間で1,000台の販売を目指す。
ARM-10
「ARM-10」は、本体下部のプロジェクターによる面露光方式を採用した、同社初の光造形3Dプリンタ。硬化した液体樹脂を、樹脂槽から一層ごとに引き上げ、UV-LED照射で硬化させて積層させていく「吊り下げ」式を採用する。造形サイズはW130×D70×H70mmで、光源はUV-LED(紫外線発光ダイオード)。
主な仕様は、積層ピッチが0.15mm、積層スピードが10mm/h、XY解像度が0.2mm、Z軸分解能が0.01mm、樹脂材料がUV硬化樹脂「imageCure」など。消費電力は15W。電源は家庭用AC電源。インタフェースはUSB。本体サイズはW430×D365×H450mm、重量は17kg。
初心者向けに3Dデータの不備を自動修復するヒーリング機能やサポートをを自動生成する機能を搭載した出力ソフトウェア「monoFab Player AM」が標準で付属する。専用の液体樹脂は単体販売もし、価格は350g/本で税別14,000円。
SRM-20
「SRM-20」は、設定した素材を削り取り、3次元の造形に加工する切削機。前モデルの切削機と比べ、動作速度やモーター数の改善で、全体の切削能力が約2倍近くに向上したという。ARM-10より精巧さが必要な造形を得意とする。
主な仕様は、XYZストロークが203.2(X)×152.4(Y)×60.5(Z)mm、XYZ軸駆動方式がステッピングモーター、動作速度が6~1800mm/分、最高回転数が7,000rpm。使用可能材料はアクリル、ABS、木材、ケミカルウッド、ワックス、発泡材、小型基板など。消費電力は約55W。電源は家庭用AC電源。
インタフェースはUSB。本体サイズはW451.0×D426.6×H426.2mm、重量は19.6kg。CAMソフトウェア「MODELA Player 4」、2次元切削ソフトウェア「iModela Creator」、簡易加工ソフトウェア「ClickMILL」といったソフトウェアが付属する。