旅行先のスーパーと言えば、食料の調達・備品の用意のほか、その地の文化を垣間見るようなワクワク感が楽しめる場所。特にアメリカとの縁も深い沖縄には、他地域にはない"スーパーの常識"があるよう。そこで、沖縄出身者に「沖縄のスーパーと言えば?」をうかがってみた。
■「アンパンマンアイス」(50円)を売っている(フリーター/26歳/女性)
■あぶらみそや黒糖がスーパーで買えるのでうれしい(専門職/27歳/女性)
■マンゴーがたくさんある(主婦/55歳/女性)
■納豆の味が違う。たれが少し甘い。給食用に改良された「ナットちゃん」が主力(自由業/27歳/女性)
沖縄にシークワーサーや紅イモのアイスがあるのは想像できる範囲だが、沖縄ならではという質問で「アンパンマンアイス」が出てくるのは想定外。よほど、沖縄県民にとってなじみのあるアイスなんだろう。なかなか沖縄で納豆を食べる機会はないかもしれないが、「ナットちゃん」を筆頭に、甘いと言う沖縄の納豆にも注目してみたい。
■できたての豆腐が売っていること(自営業/28歳/女性)
■ゆし豆腐や島豆腐を、封が開いた状態で売っていること(会社員/59歳/男性)
ゆし豆腐は豆乳ににがりを加えただけのゆるめの豆腐。一方、島豆腐は豆乳ににがりを加えてものをよく水けをぬいて固く仕上げたもの。沖縄の豆腐個人消費量は全国平均の約2倍にも達しているほど、沖縄料理とは切っても切れない存在であり、専門店のみならずスーパーなどでもできたてが食べられるようだ。うらやましい。
■豚肉の塊が必ずある(会社員/59歳/男性)
■肉の塊がどこでも売っている(主婦/58歳/女性)
■肉の皮がついている(主婦/58歳/女性)
■皮のついた肉の塊が普通に置いてある(営業職/33歳/男性)
■豚肉、牛肉、鶏肉が業務用くらいの大きさで売ってる(自由業/27歳/女性)
■豚の頭(チラガー)や耳(ミミガー)を売ってる(主婦/55歳/女性)
■魚や肉が安い(専門職/27歳/女性)
■魚の種類が少ない(主婦/58歳/女性)
豆腐以上に沖縄料理の定番中の定番と言えるのが豚肉。それも、ゴロっとした皮付きの塊で売られているということなので、見慣れていない他地域の人はギョッとしてしまうだろう。沖縄ならではの風景として、記念に写真を撮って帰ったというと人も多いはず。
一方、水温が高い沖縄近海でとれる魚は脂身が少ないため焼魚にむかず、刺し身や揚げ物にするのが一般的なよう。「海に囲まれた地域ならさぞや魚も」と思ってしまうが、亜熱帯特有の事情もありそうだ。
■どのスーパーにも惣菜コーナーにフライドチキンが置いている(フリーター/26歳/女性)
■惣菜屋さんの揚げ物が多い。脂っこい(販売職・サービス系/28歳/女性)
■惣菜屋さんでできたてのサーターアンダギーが買える(営業職/33歳/男性)
フライドチキンはアメリカ文化の影響もあるのだろう。砂糖をふんだんに使った食べ応え十分のサーターアンダギーは、街歩きをして小腹がすいた時などにぴったりの一品。沖縄に揚げ物が多い理由としては、生ものを揚げて日持ちさせる、暑さでばてないようスタミナをつけるなど、いろいろと諸説あるようだ。
■輸入菓子が置いている(フリーター/26歳/女性)
■アメリカのものが多い。キャンベルとかスパムとか(販売職・サービス系/28歳/女性)
■海外の缶詰が多い(主婦/55歳/女性)
沖縄のスーパーなどでは、円のほかドルも使えるところがあるという。アメリカ人も多い沖縄だけに、スーパーの品ぞろえもアメリカン。沖縄のスーパーでは缶詰も注目してみよう。
■「サンエー」ていう独自の小売店(販売職・サービス系/28歳/女性)
■「かねひで」という地元のスーパーが好き(事務系専門職/24歳/女性)
■駐車場はいつでも無料(整理券なし)(自由業/27歳/女性)
■スーパーのカゴを部活で使っている。カートまで持って帰っている人もいる(フリーター/26歳/女性)
「サンエー」「かねひで」はともに、沖縄にしかない地域密着型の店舗で、スーパーのほかリゾートホテルやレストランなども展開している。しかし、スーパーのカゴやカートの持ち帰りはごく一部での行為だろう。裏を返せば、それほど日常に密着した存在なのかもしれない……。
筆者の知人の沖縄出身者は、「暇つぶしのために、台風の日はスーパーやショッピングモールに人が集まる」と話していた。そんな沖縄県民憩いの場であるスーパー、旅行の際にはぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
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