ハウス食品グループとハウスウェルネスフーズは、ウコンエキス中の成分「ビサクロン」が、二日酔いの改善につながることを確認したと発表した。

ウコンは熱帯アジア原産のショウガ科の植物で、日本ではカレーのスパイスのほか、生薬や天然色素として用いられている

そもそもウコンはカレーにも欠かすことのできないスパイスであり、二日酔いに効く成分を含んでいる植物として既に広く知られている。ただこれまでは主要な機能性成分として「クルクミン」が確認されているのみだった。 

同社によると成分「ビサクロン」を含むウコンエキスでは、クルクミンを単体で摂取するよりも高い肝細胞傷害抑制効果が認められたという。

ウコンエキスが肝細胞に与える影響。クルクミノイド単独よりもクルクミノイドを含むウコンエキスのほうが肝細胞傷害を抑制する活性が強いとわかったことが、ビサクロン発見の糸口になったという※クリックで拡大

ビサクロンに期待される機能

体内に取り込まれたアルコールは肝臓で代謝される。しかしアルコールを多量に摂取すると、人体に有害なアセトアルデヒドに加え、体内の細胞を酸化させる活性酸素も産生されてしまう。

同社が動物実験による検証をおこなった結果、ビサクロンを含有するウコンエキスを摂取した場合、活性酸素から細胞を守る「グルタチオン」の肝臓中の濃度が抑えられていることが確認されたとのこと。

また、他にも「アルコールにより誘導された炎症を抑制する機能」や、「アルコールにより誘導された肝障害を抑制する機能」などが期待できるという。

ビサクロンを発見したという研究員の恵千晶さんは、同社のウェブサイト・ウコン研究所の中で「着手から2年間をかけて活性成分を単一成分にし、その成分が「ビサクロン」であることを明らかにすることに成功しました(中略)今後もビサクロンやクルクミンをはじめとするウコンの機能性成分について研究を進め、ウコン研究のより一層の発展に貢献していきたい」と話している。