ボルボ・カー・ジャパンは、ボルボ史上、最大の成功を収めたモデル「240」が40周年を迎えたと発表した。ボルボの「200シリーズ」は、1974~1993年の19年間で累計286万2,573台が生産されたという。
「240」は1974年に誕生したが、この年はスウェーデンがいくつもの快挙を遂げた年だった。ポップグループ・ABBAがユーロビジョン・ソング・コンテストに優勝し、18歳のテニスプレーヤー、ビョルン・ボルグが全仏オープンで優勝した。
「240」は、「140」シリーズをベースに大幅な変更を加えて開発されたモデルで、フロント周りに画期的なデザインが採用された。その2年前に発表されたVESC実験安全車から影響を受け、デザインされたものだったという。大型バンパーを装着し、全長は「140」シリーズより13cmも長かった。特徴的な格子のヘッドレストも、新規採用された装備のひとつだった。
エンジンは新たに開発されたもので、キャブレター仕様97PS、燃料噴射仕様123PSの2仕様が用意されていた。1974年10月には、高級モデルである「260」シリーズの生産が始まり、「264」には新型の2.7リットル、140馬力のV型6気筒エンジンが搭載された。
「240」はさまざまな派生モデルが製造されたモデルでもある。2ドア・4ドア・5ドアのモデルに加え、1977~1981年にかけて、イタリアのベルトーネ社が製造を手がけた「262Cクーペ」が合計6,622台生産された。また、全長を70cm延長した「264TE」「245T」というモデルもある。このモデルはスクールバスとしても使われたという。
「240」「260」は安全性でもさまざまな賞を受賞した。1976年にはイギリスでドン・セーフティ・トロフィーを受賞。同年には、「240」がNHTSA(米国高速道路安全局)から、継続的な安全性取組みの標準モデルとして選ばれている。1980年代後半の4年間、「240エステート」はアメリカの高速道路損失データ協会(HLDI)によって、同サイズのモデルの中でも米国で最も安全な車と認定された。
「240」はスウェーデンのカルマル、ベルギーのゲントでも生産されていたが、1993年5月5日、最後の車両がイェーテボリのトースランダ工場の生産ラインを後にした。モデルライフは19年におよび、生産がスタートしたときには誰も予想しなかった長寿のモデルとなった。