内閣府は28日、2014年8月の地域経済動向を発表した。それによると、全国11地域全ての景況判断を5月の前回調査から上方修正し、2013年5月以来、1年3カ月ぶりに全地域で判断を引き上げた。

各地域の景況判断を見ると、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州は「緩やかな回復基調が続いている」、北海道は「持ち直し基調が続いている」、東北は「回復基調が続いている」、沖縄は「基調として着実に回復している」とし、全地域で消費増税に伴う駆け込み需要の反動が和らぎつつあるとの見方を示した。

2014年8月の景況判断 全地域(出典:内閣府Webサイト)

2014年4~6月期の鉄工業生産(季節調整値、沖縄は観光)については、東海が前期比5.1ポイント減、関東が同4.9ポイント減、北海道が同4.8ポイント減などとなった一方、近畿は同1.7ポイント増加。判断は、近畿と北陸が上方修正、北関東と九州は下方修正、このほかは横ばいとなった。

2014年4~6月期の地域別消費総合指数(季節調整値)の動きを見ると、近畿および四国が前期比6.9ポイント減、東海が同6.6ポイント減など、全地域がマイナスに。しかし、足元では減少幅が縮小し、反動減からの持ち直しの動きが見られることから、全地域で判断を上方修正した。

先行きについては、「全体として緩やかに回復していくことが期待される」としつつ、駈け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、「景気を下押しするリスクに留意する必要がある」とした。