サントリー食品インターナショナルは、缶コーヒー「BOSS」ブランドの新たなラインナップとして、ボス史上"最高峰のコク"を実現した「プレミアムボス」を9月2日から発売する。
1992年に誕生した缶コーヒー「BOSS」ブランドは、働く男にフォーカスしたブランド戦略や品質の向上により、現在の缶コーヒーの「スタンダード」「ブラック」「カフェオレ」「微糖」という4カテゴリーのうち、「ブラック」「カフェオレ」「微糖」の3カテゴリーにおいてNo.1シェアを獲得している(※)。人気の秘密は、BOSSブランドが22年培ってきた中味作りへのこだわり。今回、新たに発売されるボス史上"最高峰のコク"を謳った「プレミアムボス」では、何を目指し、どんな製法を採用しているのか。サントリーの食品事業本部 ブランド戦略部 課長 鵜飼太祐氏に「プレミアムボス」誕生の背景や商品の特徴などを聞いた。
コーヒー飲用シーンは多様化の時代へ
国内のコーヒー消費量は、この数年伸び続けている。特に2013年は前年比4%の増加を記録し、コーヒー豆の輸入量も7年ぶりに過去最高を更新する約45万7,000トン(財務省発表)となった。その背景には、1990年代後半からはじまったカフェブームや、近年のコンビニエンスストアを中心としたカウンターコーヒーなど、コーヒー飲用シーンの多様化があるという。
一方で、身近なコーヒーとして定着した缶コーヒーの市場は成熟し、この1~2年は微減傾向となっている。缶コーヒーの売り上げの大部分を占めているのは自動販売機だが、コンビニエンスストアでの売り上げも缶コーヒー全体の2~3割ほどあり、2013年春頃からカウンターコーヒーの台頭は、缶コーヒー業界に大きな影響を与えたのだ。鵜飼氏は「低価格で本格的な淹れたてコーヒーが飲めるカウンターコーヒーの出現によって、缶コーヒーは価格が変わっていないにもかかわらず、その価値が相対的に下がってしまった」と語る。
そこで、今までと同じ価格でも納得のうえで購入してもらえる缶コーヒーはどうあるべきかと考えた結果、生み出されたのが「プレミアムボス」だった。"プレミアム"であるにもかかわらず価格は従来の製品と同じ設定となったが、価格を決定するまでには社内でも意見が分かれたそうだ。最終的には、購買者に喜ばれることを最優先とし、品質を向上したうえで今までと同じ価格で提供することになったという。
「プレミアムボス」のコクを生み出した新製法とは
「BOSS」ブランドは、「スチームロースト」や「エスプレッソ抽出」を導入した深くて濃い味わいが特徴であり、ネーミングやパッケージからも"濃い"というイメージを持たれている。そこが「BOSS」ブランドの強みであるため、「プレミアムボス」ではそのイメージを最大化した"BOSS of BOSS"を目指したという。
具体的には、エスプレッソ抽出の割合を増やして"濃い"味を際立たせるとともに、新製法「微粉砕コーヒー」を導入し、淹れたてコーヒーに負けない"コク"を引き出している。同製法は、高級豆を中心としたブレンド豆を瞬間凍結してコクを凝縮し、極限まで細かく挽いた微粉砕コーヒー豆を絶妙なバランスでブレンドするというもの。淹れたてのコーヒーを飲み干すと、カップの底に細かい豆の粉が残っているが、これがコーヒーに複雑な風味やコクを与えていると考えた同社研究者の着目から考案された製法だ。
従来の缶コーヒーの製法では非常に細かいフィルターを通しているため、ほとんどの固形物は排除されてしまう。そこで、豆の風味を失わずに極限まで細かく粉砕する技術を探し求め、通常の細引き豆の1/10~1/30にまで細かくすることができる、瞬間凍結による粉砕法に行き着いたそうだ。その粉砕した豆を添加するとともに、沈殿させない技術も導入することで、「プレミアムボス」最大の特徴であるボス史上"最高峰のコク"が生み出されている。
"些細なトロフィー"として飲んで欲しい「プレミアムボス」
缶コーヒーを飲むシーンとしては、仕事前の気付的な1本であったり、仕事の合間に一息つくための1本などが想定されている。特に「プレミアムボス」では、数時間働いた後で、自分で自分を労うための"些細なトロフィー"にふさわしい製品を目指す。缶のデザインは、「BOSS」ブランドを象徴する深いブルーに、プレミアム感を表現した金色をあしらっているが、金色の部分にはトロフィーのイメージも重ね合わされている。鵜飼氏は「仕事の合間の休憩時間を『プレミアムボス』で彩って欲しい」と語っていた。
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インテージMBI調べ ブラック缶コーヒー市場
2013年6月~2014年5月 累計販売金額 全国SM・CVS・DRUG計
インテージMBI調べ カフェオレ缶コーヒー市場
2013年6月~2014年5月 累計販売金額 全国SM・CVS・DRUG計
インテージMBI調べ 微糖缶コーヒー市場
2013年6月~2014年5月 累計販売金額 全国SM・CVS・DRUG計