三菱電機は8月26日、同社のルームエアコン「霧ヶ峰」Zシリーズの2015年新製品の発表会を開催した。10月下旬以降、シリーズ12機種が順次発売される。

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三菱電機、窓からの冷気を遮断できる2015年度モデルの「霧ヶ峰 Zシリーズ」(2014年8月26日)

三菱電機の家電製品のイメージキャラクターを務める、女優・モデルの杏さんが、進化した「ムーブアイ」や意匠デザインも大幅に変更された新製品をPR

従来から「ムーブアイ」と呼ばれるセンサー機能が特徴の同社のエアコンの上位機種。センサーで床面の温度や間取り、人の位置などを検知し、適切な温度設定を行う機能だが、新製品ではこの機能が進化した。

同機能は今回から名前も「ムーブアイ極(きわみ)」へと刷新され、機能的にはセンサーが360度回転し、より広範囲の認識が可能になった点が特徴。従来はエアコンの正面から160度まで検知可能な範囲だったが、360度回転することにより、全方位のセンシングに対応した。

また、左右のフラップ部分を大型化し、送風ファンの長さを拡大。これにより、横方向への気流制御性能を向上し、180度の範囲への送風が可能になり、360度回転する新センサーと連携し、風をより広範囲に届けることができるようになった。

従来機種では本体の中央にあった「ムーブアイ」が向かって右側の端に配置されるなど、内部の機構もデザインも大幅に変更された新商品

フラップの横幅が拡大。左右風向の制御が向上したことにより、横方向への送風が改良

暖房運転時の床面のサーモグラフィー。従来は温風が届きにくかった、本体直下や横方向もムラなく温められているのがわかる

さらに、新たな着眼点として、窓付近の冷気対策が強化されたのも特筆すべき新機能だ。同社が行ったユーザーアンケートによると、「窓際が寒く感じる」という声が多く寄せられており、これに応えるかたちで新たに搭載されたのが「冷気カット暖房」機能だ。

具体的には、大型化された上下フラップと配置の変更により、下方向への送風性能を向上。4枚のフラップと9枚のルーバーで細かく制御し、片側のフラップでは部屋の中心に向かって温風を送り床面を温めながら、もう片方では下方向に風を送り、窓付近の冷気をカットするといった複雑な気流制御ができるのが大きな特徴だ。

「冷気カット暖房」機能のデモンストレーション。窓の下から漏れる冷気をドライアイスに見立てて実験

「冷気カット暖房」により、真下の部分が温められ、一気にドライアイスの煙が消えた

また、室内機の設計を大幅に変更。制御基板を前面に配置したことにより、横方向への風路を確保すると同時に、熱交換器の面積が拡大し、送風ファンの長さも長くなったことにより、熱交換効率が向上したとしている。さらに室外機についても新構造の高効率圧縮機や独自のコンバーター回路の採用により、電力カットを実現。6.3kWクラスの製品では、期間消費電力量1,953kWhと業界ナンバーワンの省エネ性能を謳う。

制御基板を前面に移動するなど、内部部品の配置を最適化し、送風経路の効率化が図られた本体内部

部品配置の最適化により、拡大された熱交換器やロングファンにより、省エネ性能が向上

業界初となるタッチパネル液晶を採用したリモコン。ボタンを2つに絞ったことにより、本体も小型化

このほか、業界で初めてタッチパネル液晶リモコンを採用。リモコン本体自体のボタンは、画面表示と電源のオン・オフを行うためのボタンの2つのみに絞られ、その他の選択式のボタンはすべてタッチパネルで直感的に操作ができるようになった。

記者発表会には、同社のイメージキャラクターを務める、女優・モデルの杏さんも出席。新製品の開発・技術担当者とのトークセッションや冷気カット暖房機能を体験するデモンストレーションに参加した。

商品ラインナップは、冷房定格能力2.2~9.0kWの全12機種。予想実売価格は、定格容量2.2kWの「MSZ-ZW225」の21万円~同9.0kWの「MSZ-ZW905」の40万8,000円まで(税別)。カラーはウェーブホワイトとウェーブブラウンの2色を展開する。