新型iPhoneの発表が噂される中、HTCとKDDIが共同で開発したAndroidスマートフォン「HTC J シリーズ」の第4弾となる「HTC J butterfly HTL23」が発表された。このところiPhone、Android含めて目新しい進化が見て取れないスマートフォンだが、同製品はどうだろうか?
新型iPhoneの登場が近づくと、毎回同端末に「どのような機能が搭載されるのか?」が話題になる。今回の「iPhone 6」では、新たな機能・デザインとして、5インチ級の大型ディスプレイを採用したモデルを含む複数モデルの提供などが噂されている。これらはiPhoneでは目新しい機能だが、スマートフォン全体で見るとそうではない。過去を見てもiPhoneは、ディスプレイの高解像度化、指紋認証機能の採用など他製品が既に採用しているものを導入している印象だ。
一方で、今回、「HTC J butterfly HTL23」を発表したHTCは、2008年に世界初のAndroidスマートフォン「HTC Dream(T-Mobile G1)」を、2009年にNTTドコモ向けに日本初のAndroid「HT-03A」を発表するなど、”初”がつく製品を数多く提供してきた。HTC J シリーズについてもHTCが「1つの国のために、ゼロからスクラッチで作った、HTCにとって世界で初めての製品」(HTC Nippon 村井良二社長)となっている。
HTC J butterfly HTL23の発表会では、KDDI(au)代表取締役社長の田中孝司氏とHTC CEOのピーター・チョウ氏がトーク・セッションを行った。その席上、田中社長は「昼食の席で、ピーターが"イノベーティブなことをやりたい"と頻繁に繰り返していた」というエピソードを披露。それに対し、ピーター氏は「Innovation is our DNA. (イノベーションは私たちのDNAです)」と答えている。HTC J butterfly HTL23は、どのようなイノベーションが盛り込まれているのだろうか?
HTC J butterfly HTL23は、約5.0インチ superLCD3(フルHD)ディスプレイ搭載のAndroidスマートフォン。最大の特長は、背面に約1,300万画素と約200万画素の2つのCMOSカメラを内蔵する点。「DUO CAMERA(デュオ カメラ)」機能により奥行きを感知し、立体感のある写真を撮影できるという。さらに、撮影後にピントを変更できる「UFocus」機能を使えば、一眼レフカメラで撮影したような、背景をボケさせた美しい写真を撮影することも可能だ。
このほか、任意の位置だけに特殊効果を加えられる「背景効果」、写真に3D効果を加えられる「3次元効果」、被写体の立ち位置などを変更できる「コピー・アンド・ペースト」、肌の滑らかさや目の大きさなどを変更できる「レタッチ」などの機能を標準搭載する。
カメラに関しては、画質・機能ともに現行のAndroidスマートフォンで最高水準のものを搭載しているという。特に2つのカメラで撮影するというアイデアはユニークで、正にイノベーティブだと言えるだろう。標準搭載されるギャラリーには、好みの写真に好きな音楽を付けて動画にし、mp4で保存できる機能も搭載。従来であれば、PCがないとできなかったような複雑で重たい作業が、スマホ上で簡単に行えるようになっている。
このほか、サウンドにもこだわりが見られる。端末の前面には、オーディオメーカーのJBLが設計に協力した「デュアル・フロントスピーカー」を搭載。音楽や動画コンテンツ、フルセグ、ゲームなどを迫力のサウンドで楽しむことができる。また、製品には「JBL ハイパフォーマンス インイヤー ヘッドフォン」を同梱。臨場感を再現する「JBL LiveStage」技術により、外出先でも高品質な音楽を楽しめる。
携帯電話研究家の山根氏に聞いてみた!!
最後にマイナビニュースを含め、雑誌や書籍、Web媒体など幅広いメディアで活躍する携帯電話研究家の山根康宏氏に「HTC J butterfly HTL23」の印象を聞いてみたので紹介しよう。山根氏はHTC J butterfly HTL23を「スマートフォンを使うことの面白さを改めて教えてくれる新世代の製品」と表現。「ハイスペックな製品ながらもファッショナブルな本体デザイン、そして高性能なカメラやサウンド機能を搭載する「HTC J butterfly HTL23」は男性にも女性にも、そしてあらゆる世代の消費者に最高のユーザー体験を提供できる製品に仕上がっている」との評価だ。
山根氏が"新世代の製品"と表現する通り、「HTC J butterfly HTL23」は、HTCが「Innovation is our DNA.」という考えのもと開発した革新的な機能が盛り込まれている。同端末は、日本での発売の後、グローバル市場でも提供される予定だ。HTCとKDDIが、満を持して解き放つ、新しいHTC J シリーズ。月末の発売開始日を楽しみに待ちたい。