携帯キャリア各社では、主要都市に情報発信の拠点となる"旗艦店"を出店している。"旗艦店"の位置付けは各社ごとに異なるが、本稿では"情報発信の拠点"としての店舗に注目したい。
今回、NTTドコモが丸の内にオープンした情報発信拠点「docomo LOUNGE(ドコモラウンジ)」を取材し、同ラウンジの特徴やキャリアとしての狙いなどを聞いてみた。
6月にオープンした新コンセプトの"ラウンジ"
docomo LOUNGEは、NTTドコモが6月25日に東京・丸の内にオープンした新しいコンセプトの"ラウンジ"。同社が2010年8月に開設し、同じ場所にあった「ドコモスマートフォンラウンジ東京」を、コンセプトを新たにリニューアルオープンしたもので、従来よりも情報発信拠点としての色を強くしている。
同ラウンジは、"映画、音楽、本、雑貨、ファッション等、あなたの好きなモノが、きっと見つかる。"をコンセプトに、ドコモが提案するスマートライフを体験できるラウンジとして、「dマガジン」や「dビデオ」「dショッピング」などのdマーケットコンテンツの展示を行っている。ラウンジの名に相応しく、多数のソファやテーブル席を備えた、くつろげる空間となっているのが特長だ。
まず、展示スペースでは、季節ごとに5つのテーマを設定して、旬のグッズやコンテンツなどを展示。取材時のテーマ展示は、「花火・お祭」「夏の健康・美容」「アウトドア」など5テーマで、dショッピングで購入できる商品が展示され、スタッフによるおすすめコメントが手書きされたPOPも掲示されていた。
また、カフェスペースでは、dマガジンやdビデオ、dヒッツといったサービスを実際に体験することができ、設置されている約50台のタブレット端末を自由に使い、すぐに電子雑誌の閲覧や動画の視聴などを行える。なお、カフェコーナーで提供されるコーヒーなどのドリンクは、ドコモのO2Oサービスのアプリ「ショッぷらっと」でチェックインすることで、無料で貰うことが可能だ。
従来のスマートフォンラウンジとの違いは?
従来のスマートフォンラウンジは、スマートフォン普及の拠点となるショールームして開設され、スマートフォンに関するレクチャーや最新機種の展示などを行ってきた。一方、docomo LOUNGEでは、最新機種としての端末の展示は行わず、ドコモが提案する「スマートライフを体験できる拠点」(同社担当者)となっている。なお、コンセプト変更の理由について、同社担当者は「スマートフォンがすでに普及し、ドコモショップでも同様の対応ができるようになった」からだと説明する。
また同ラウンジには、ドコモショップ丸の内店が併設されており、新規契約や機種変更などの手続きは丸の内店で行うことが可能。そのため、同社では特にdocomo LOUNGEを"旗艦店"としては位置付けていないものの、丸の内店と一体で"旗艦店"と認識している客も多いのではないかとのことだった。
リニューアル後は女性客が半数以上に
スマートフォンラウンジ時代には、来客者数は9:1で男性の割合が圧倒的に多かったという同ラウンジだが、6月のリニューアルオープン以降は女性客が増え、現在では女性の割合が男性を上回っているという。また、年齢層としては、20代から30代の女性が中心とのことで、情報感度が高い層の注目を集めている言えそうだ。
同ラウンジではリニューアルに伴い増床し、ビル内通路に面する壁をガラス張りに改装した。それによって外から見えやすく、入りやすいラウンジになったとのことで、同社担当者は女性客が増えたことについて「狙い通り」だとする。
また、同ラウンジではテーマ展示などの他にも、イベントやキャンペーンを不定期で実施し、情報発信を行っている。現在のところ、予定が確定しているイベントはないものの、今後もdマーケットの各種サービスを知ってもらうためのイベントを展開していく予定だという。
最後に、同社担当者にマイナビニュース読者へのメッセージを伺ったところ、「ドコモ以外を利用している方でも、気軽に来ていただいて、まずは(dマガジンやdビデオなどの)サービスを体験してほしい」と語ってくれた。
なお、マイナビニュースの別稿では、ソフトバンクモバイルの旗艦店「ソフトバンク銀座」の取材レポートも紹介しているので、こちらもご参照いただきたい。