スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ち、様々な部品や技術が搭載されています。そんなスマートフォンのカタログを見たときに、専門用語 のオンパレード……と思ったことはないでしょうか。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「ベゼル」についてです。

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ベゼル(bezel)とは「枠」や「額縁」を意味し、転じて液晶ディスプレイなど表示装置部分を保護する部品を指します。ベゼルそのものは電気的な役割を持たない"骨格"に相当するため、より薄く細くしたほうが筐体の小型・軽量化につながります。数年前と現在の薄型テレビを比較すればわかるように、"狭ベゼル化(狭額縁化)"がディスプレイ装置全体のトレンドです。

スマートフォンにおいても、狭ベゼル化が進んでいます。小型・軽量化に貢献するだけでなく、非表示領域が減ることにより外観がすっきりした印象になる効果は大です。

しかし、ただベゼルを薄く細くすればいいわけではありません。強度や耐衝撃性という観点からすると、狭ベゼル化は小型化/軽量化とトレードオフの関係にあるため、ベゼルの構造や素材の見直しが必要です。液晶パネルなど表示装置部分の改良も欠かせません。

どの部分を狭ベゼル化するかという問題もあります。多くのスマートフォンは、上辺のベゼル付近に通話用スピーカーや近接センサーや照度センサーを配置するため、狭ベゼル化には技術的困難を伴います。スピーカーやセンサーに独自の工夫を施すなど、それらの機能を削ぐことなく配置しなければなりません。

8月にSHARPが発表した「AQUOS CRYSTAL」は、狭ベゼル化をさらに進めた「フレームレス」が特徴です。実際のところベゼルは存在しますが、ベゼルの存在をほぼ意識せずにすむほど薄く/細く見えます。フレームが見えにくいのは、新開発の狭額縁液晶パネルとエッジカットを施した前面保護ガラスによるレンズ効果とのことで、狭ベゼル化技術の進化形といえるでしょう。

狭ベゼル化をさらに進め"フレームレス"を実現した「SHARP AQUOS CRYSTAL」