日本ユニセフ協会 広報室はこのほど、アフリカのリベリア共和国をはじめとする4カ国において、エボラ出血熱の感染が拡大し続けていることを発表した。
同発表は、ユニセフ・リベリア事務所の情報を日本ユニセフ協会広報室が独自に翻訳・編集したもの。リベリアでは、1週間でエボラ出血熱の最大の感染者数を記録し、感染が確認された4カ国は「国家非常事態」を宣言した。これまでに778名が感染し、402名が死亡している(8月13日時点)。医療従事者への感染も広がり、これまでの医療従事者の感染者(確認、推定など含む)は累計88名、うち36名が死亡した。
現在、リベリア国内で稼働している保健施設は限られている。8月15日までの1週間で、エボラ治療ユニットでの感染者数はほぼ3倍となっており、61名(8月6日)から175名(8月13日)に増加。治療ユニットは増床しているものの、この数日間で入院者数は増加しており、増床後も過密状態になると考えられている。そのため、新たなエボラ治療ユニット(3カ所目)設置の協議が進められているほか、首都モンロビアにも複数地域に隔離センターが設置されるよう、検討中とのこと。
ユニセフは、感染と感染拡大を防ぐため、一般市民に向けた教育・広報活動を行っている。また、隔離用テントやベッドの提供を含めた治療に必要な医療品や予防に必要な消毒用品の提供、医療従事者への研修・育成なども実施している。
※エボラ出血熱…エボラウイルスによる急性熱性疾患で、感染すると発熱や下痢、強い脱力感が見られ、進行すると全身からの出血といった症状が起こる。集団発生では、致死率は90%に達することもある。