東京農業大学の江口文陽(えぐち ふみお)教授と、長野県中野市の中野市農業共同組合はこのほど、えのき茸を用いた「えのき氷」に生活習慣病予防・改善効果があることを中心とした共同研究成果報告会を、東京農業大学「食と農」の博物館で実施した。

共同研究成果報告会の様子

報告会では、きのこ研究の第一人者と称される江口教授と、きのこ生産日本一の市である中野市のJA中野市が、平成23年度から平成25年度までの3年の研究成果を報告した。えのき茸は体脂肪減少のほか、花粉症の改善にも役立つことが明らかになったという。

「えのき氷」摂取の臨床試験についての結果も報告した

今回は、えのき茸の栄養成分を効率よく摂(と)り入れることができるよう考案された食材「えのき氷」についても報告が行われた。「えのき氷」とは、えのき茸をミキサーでペースト状にして1時間煮出し製氷皿で凍らせたもの。長期間保存ができ、みそ汁やカレー、煮物、炒め物などさまざまな料理に取り入れることができる。日常的に食べることで、生活習慣病の改善につながるという。

この「えのき氷」摂食が糖尿病の予防・改善とどう関与するのか実験した臨床試験の結果も発表した。同試験では、12週間「えのき氷」とえのき加工食品を摂取し、飲用前、飲用後、飲用中止後の血液検査を実施。その結果、「えのき氷」摂取による糖尿病の予防・改善に関する効果が確認され、その効果は飲用2カ月後から表れたという。一方、えのき加工食品ではほとんど効果がみられなかった。