ASUSTeK Computerは20日、8型Androidタブレット「ASUS MeMO Pad 8」のau 4F LTE対応モデル「MeMOPad 8(AST21)」を発表した。KDDI、沖縄セルラーより提供するASUS初の国内キャリアモデルであるとともに、国内で初めてMoorefield(開発コード名)プロセッサを搭載したAndroidタブレットでもある。日本のユーザーの嗜好に特化して開発しながら、グローバル展開を狙う製品であることも特徴だ。本稿では記者向け発表会の内容をお伝えしたい。

「MeMOPad 8(AST21)」。写真それぞれ左からパールホワイト、パウダーピンク、メタリックブルーの3色カラバリのラインナップ

片手で持ちやすい長方形の8型サイズで、ディスプレイは情報量・視認性良好なWUXGA解像度のIPS液晶

最新のIntel SoCベースで高い性能を実現しながら、薄く軽い本体。薄さは薄型スマホ級の7.7mm。写真は手元にあった初代Xperia Zと比べてみたもの

側面はなめらかなラウンドシェイプ

製品のスペック等は既報のこちらのリリース記事のとおり。細かな部分は同記事を参照いただくとして、Moorefieldの開発コード名で知られるIntel最新のスマートフォン/タブレット向けSoC「Intel Atom Z3580」で従来のタブレットを大きく上回る処理性能を獲得しているだけでなく、薄さ約7.7mm、重量約301gの高いモビリティ性能も実現している。

使いやすいシンプルインタフェースが特徴の独自UI「Zen UI」が利用できるのも同社端末の特徴

スケジュール管理をロック画面からでも便利に使える「What's Next」機能は、カレンダーアプリとも連携

電子読書でうれしい「読書モード」も搭載。ブルーライトカットなどをいつでもワンタッチで適用できる

カメラ機能も、写り込み削除など、高度な写真編集機能をワンタッチで簡単に利用できる独自アプリを搭載

ASUSのマーケティング部 部長のCynthia Teng氏は、記者向け発表会の席上、このMeMOPadを「MeMOシリーズの中でも特別な製品」と紹介した。その理由は、同社の国内初のキャリアモデルであるという以上に、同社がIntel、KDDIと共同で日本市場向けに特化して開発した「日本人の欲しいをカタチにした」モデルであること。さらに、日本で先行発売となった同製品が、グローバル展開を目指す「日本発、世界向け」のモデルでもあること。日本人のニーズを満たせるタブレットであれば、グローバルに提案できるという趣旨だ。

ASUS Japan マーケティング部 部長 Cynthia Teng氏

近年のタブレットの進化で、節目となる重要な製品を出し続けているASUS。昨年は国内シェア1位も達成したという。今回の「MeMOPad 8(AST21)」は同社初の国内キャリアモデルで、国内初のMoorefield搭載Androidタブレットでもある

「日本人の欲しいをカタチにした」日本発の世界向けモデル

KDDIの商品統括部 プロダクト企画本部 プロダクト企画2部 部長の相澤忠之氏も、MeMOPad 8(AST21)を「何度も(ASUSの本拠地である)台湾と日本を行き来して作り上げた、非常に自信のあるモデル」と述べる。開発では、電車の中で日々取り出して利用するなど、日常的に持ち歩く日本人のタブレットニーズから、片手でも取り回しやすいサイズや重量にこだわった。

KDDI 商品統括部 プロダクト企画本部 プロダクト企画2部 部長 相澤忠之氏

相澤氏によれば、開発では、「タブレットというと現在は男性ユーザーが中心だが、女性に使ってもらってこそ、タブレットの普及が本格化する」と、特に女性ユーザーのニーズを意識したそうだ。長方形寄りの本体の横幅サイズは女性の手でも片手で持てることを目指したもので、重量の301gは、ちょうど300mlのペットボトル飲料と同等で、女性がハンドバックに入れてくれる軽さに抑えたものだ。「日本人の高い美意識にかなうデザインを目指した」ということで、本体の色塗装の出来栄えも妥協できない重要な開発上のポイントだったという。

重量は300mlのペットボトル飲料と同等

女性でも片手で持て、情報量とのバランスも追求したサイズ

表面はゴリラガラス3で、堅牢性も妥協していない。液晶はIPSで視野角も広い

3色のカラーバリエーション。どれも重ね塗装でこだわった仕上がり

主にプロセッサを担当するインテルから、同社執行役員で技術本部長の土岐英秋氏も、MeMO Pad 8の重量について「300gはある種のマジックナンバーと言える軽さ」と触れた。実は数年前、インテルでも独自に、女性が持ち運ぶデバイスの重量についてのリサーチを行っていたそうだ。雑誌や飲料など、女性がカバンの中に入れてくれるモノの重量は偶然か必然か同じく「300g」という結果だったという。当時は、そこまで軽量化したIntelベースの高性能コンピュータは難題であったが、今回のMeMO Pad 8はそれを実現した。

インテル 執行役員 技術本部 本部長 土岐英秋氏

土岐氏は、今回のMeMO Pad 8が搭載するMoorefieldこと「Atom Z3580」の性能を、従来モデルの3倍近いと説明し、コンピュータとしてのパフォーマンスを妥協せずにこのモビリティを実現していることも強調していた。Moorefieldはそもそも、同社のAtomシリーズの最新ラインナップの中でも上位クラスの製品で、性能を重視したハイエンドなモバイルデバイス向けに提供されるプロセッサだ。

Moorefieldは同社最新のクアッドコアSoCで、従来モデル(Clovertrail+)比の各種ベンチマークでは3倍近い性能を示す

ほかauでは、新規ユーザー割引や、スマートフォンとのセット割引など、MeMOPad 8(AST21)での国内タブレット普及促進を目指し、積極的なキャンペーン展開も用意した。価格は、端末一括価格なら税込み36,720円。製品の発売は今週末の8月22日より。

auでは各種キャンペーンを積極的に展開